開幕から2カ月が経過して、各地区の優勝争いの行方がうっすらですが見えてきました。一方でアスレチックスやロイヤルズなど、すでに2023年シーズンが終わってしまったチームも出てきています。
6月以降に勝率を大きく落としたチームは、7月31日のトレード期間までに地区優勝争いを演じているチームの「草刈り場」となり、主力選手をトレードで放出することになります。1962年、新球団として誕生したメッツはMLBワースト記録となるシーズン120敗を記録しました。今季のアスレチックスは、その時のメッツを上回るペースで負け続け、シーズン130敗の可能性もあります。そんなチーム状況なので「草刈り場」にすらなれません。
ロイヤルズは、1年375万ドルで獲得したかつての豪腕クローザー、チャプマンが復活の兆しを見せているので、地区優勝争いに残っているチームから熱視線を集めています。例えば、大谷翔平選手が所属しているエンゼルスがポストシーズン進出争いに残ることができれば、チャプマンは是が非でも欲しいブルペン投手になるでしょう。
チャプマンは2016年12月8日にヤンキースと5年8600万ドルの大型契約を結んだ時に、カリフォルニア州の全チームとマリナーズに対してのトレード拒否権を持っていました。すなわち西海岸のチームではプレーしたくないと言うことです。選手としての立場が大きく変わった現在では、自分自身のエゴを押し通すだけのパワーと政治力が残っているとは想像できないので、ロイヤルズと西海岸のチームとの間でトレードが成立したら、チャプマンは粛々とトレードに応じるでしょう。
現在、「草刈り場」として最も注目を集めているのがホワイトソックスです。このまま低迷が続けば、シーズン終了後にFAになるエースのジオリト、守護神ヘンドリクス不在の間にクローザーを務めていたロペス、WBC米国代表のベテラン先発投手のリン、同じく代表で首位打者獲得経験者のスター選手、アンダーソンなど、数多くの実力者がトレード対象者として、すでに米国内ではうわさされています。ポストシーズン進出争いか、それともチーム解体の「草刈り場」となるのか―。6月の戦いが大きな分岐点になります。
(大リーグアナリスト)
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エンゼルスも負けが続くと、草刈り場でしょうか。
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