厚生労働省に新型コロナウイルス対策を助言する専門家組織「アドバイザリーボード」(座長=脇田隆字・国立感染症研究所長)が28日に開かれた。緊急事態宣言が発令されている東京都や、まん延防止等重点措置が適用されている神奈川、千葉、埼玉の3県、大阪府などの感染状況について「これまでにない急速な感染拡大になっている」と指摘。東京では感染増加が続いており「一般医療への影響が生じている。通常であれば助かる命も助からない状況になることも強く懸念される。危機感を行政と市民が共有できていないのが最大の問題」と危惧した。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数が、緊急事態宣言発令の目安である「ステージ4(感染爆発)」(25人以上)となっているのは、東京(89人)▽沖縄(83人)▽神奈川(45人)▽埼玉(43人)▽千葉(40人)▽大阪(36人)――など。福岡(21人)▽京都(19人)▽兵庫(16人)▽北海道(16人)――などは「ステージ3(感染急増)」(15人以上)に該当する。新規感染者数の前週比は、東京149%▽大阪152%▽全国154%――と拡大傾向にある。
全国的な急拡大の主な要因となっているのが、インドで最初に確認された感染力の強い変異株「デルタ株」の広がりだ。首都圏(1都3県)では感染者のうち75%を占め、関西圏(2府1県)でも約3割と拡大している。
緊急事態宣言発令を受けても、東京では繁華街などの夜間の人出の減少は限定的で、感染者減に結びついていない。さらなる対策強化の一環として、政府内には大規模商業施設の休業やイベント開催制限を求める意見がある一方で、「長引く自粛生活に疲れている国民の理解を得られない」(政権幹部)との反論もある。「東京五輪を中止すべきだ」と主張する専門家もいるものの大勢ではなく、有効な対策を打ち出せていない。
今月下旬の4連休にはにぎわった観光地や施設も多く、今後の感染者数に影響を及ぼす可能性もある。「感染のピークが見えない」(出席した専門家の一人)との懸念も出ている。【阿部亮介、原田啓之】
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五輪で緩み緊張感がないのに、飲食店の時短・休業要請や外出自粛要請では減らないでしょう。
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