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◇東京五輪3日目 柔道男子66キロ級(2021年7月25日 日本武道館)
柔道男子66キロ級代表の阿部一二三(23=パーク24)が、決勝でマルグベラシビリ(ジョージア)に勝利し、五輪初出場で金メダルに輝いた。妹で、女子52キロ級の阿部詩に続く金メダルで、過去に例のない「夏季大会でのきょうだい金メダル」を達成した。
チャンスを逃さなかった。世界屈指の担ぎ技を持つ阿部一二三に対して、マルグベラシビリは警戒。だが、1分50秒に隙をついて、大外刈。これが技ありとなり、最後は優勢勝ちで決めた。「きょうは本当にワンチャンスをものにするしかない、と常に思っていた。きょうはものにできた」と喜んだ。きょうだいでの同時金メダルについても「歴史に名を刻めた」と、目標を達成して充実感を見せた。
初戦となった2回戦はルブルク(フランス)から大外刈による一本勝ち。準々決勝はヨンドンペレンレイ(モンゴル)に対して、3分41秒に大外刈で技あり。そのまま優勢勝ちとなった。攻撃的な柔道を相手に警戒されながらも、見事に跳ね返して勝ち上がっていた。準決勝では、カルグニン(ブラジル)を2分25秒に一本背負い。強さを見せつけた大会だった。
東京五輪代表争いをめぐっては、ライバルの丸山城志郎(27=ミキハウス)と死闘を繰り広げた。当初は17、18年の世界選手権を2連覇した阿部が大きくリード。丸山は18年11月のGS大阪大会決勝で阿部との直接対決を制すと、その後19年世界選手権まで国内外大会を5連勝し、形勢を逆転。後がなくなった阿部が同年11月のGS大阪大会決勝で丸山を破り、再び横一線の争いとなっていた。そして、昨年12月に日本柔道史上初となるワンマッチ五輪代表決定戦を実施。24分間に及ぶ異例の長期戦の末、阿部が丸山を大内刈りで技ありを奪い優勢勝ちとなって代表に決まった。日本の代表として、そして兄としても、胸を張れる結果となった。
◆阿部 一二三(あべ・ひふみ)1997年(平9)8月9日生まれ、神戸市出身。6歳で柔道を始め、兵庫・神港学園高2年だった14年に講道館杯、GS東京大会を17歳で制覇。日体大在学時の17、18年に世界選手権を2連覇し、19年大会は銅メダル。昨年12月に丸山との五輪代表決定戦を制して東京五輪代表に内定。20年4月からパーク24所属。右組み。得意技は背負い投げ、袖釣り込み腰。1メートル68。家族は両親と兄・勇一朗さん、五輪女子52キロ級代表の妹・詩。
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ライバルの存在と切磋琢磨の結果が、金メダルなのでしょう。
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