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ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が16日、南東部マリウポリのアゾフスタリ製鉄所でロシア軍に抗戦してきた軍兵士や内務省系の武装組織「アゾフ大隊」のメンバーらに退避を命じた。大統領はロシアに屈しないウクライナの「象徴」となった軍兵士らの生還を優先した。
ウクライナ軍参謀本部は、17日の発表で、製鉄所で露軍と戦ってきた軍兵士らについて「我々の英雄だ。永遠に歴史に刻まれる」と称賛した。
プーチン露大統領は4月21日にマリウポリの「完全掌握」を発表し、露軍はマリウポリをほぼ支配下に置いていた。そうした中でもウクライナ軍兵士らは、ソ連時代に核攻撃まで想定し建設された地下施設を備える要塞(ようさい)のような製鉄所を最後の拠点にして抗戦を続けてきた。このため「完全掌握」の宣言後も、露軍は相当数の兵力や兵器を製鉄所の攻略に振り向けてきた。
ウクライナ軍参謀本部は、製鉄所での抗戦により「約2万人の露軍部隊の足止めに成功した」と評価した。そして約230キロ・メートル離れた南部ザポリージャの陥落を防ぎ、米欧が提供する武器を前線に届けるのに必要な「死活的に重要な時間を稼いだ」と功績を強調した。
ただしマリウポリの奪還について、ゼレンスキー氏はウクライナ軍の現状の装備では困難との認識を繰り返し示している。
一方、プーチン政権はナチス・ドイツやネオナチと同一視してきた「アゾフ大隊」のメンバーが、親露派武装集団の実効支配する地域に退避したことを「投降」と強調しており、「非ナチ化」の戦果にするとみられる。
マリウポリは侵攻前、人口約40万人で、製鉄業など工業も盛んな港湾都市だった。ロシアが併合したクリミアと親露派武装集団の支配地域とをつなぐ重要な位置にある。
マリウポリの完全掌握に見通しが立ち、プーチン政権は実効支配を着々と進める可能性が高い。
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武器や食料の不足も頑張ったと思います。
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