新聞紙上などでは、2%が達成できるかどうか、できなかった場合、日銀の責任はどうなるのかばかりが議論されがちだが、本来、インフレ目標と量的緩和政策は手段であり、どのような効果を狙ったものかという視点で評価されなくてならない。
量的緩和政策の効果は、名目金利がゼロにまで下がったときに、なお金融政策で景気を刺激しようという政策である。実体経済への波及経路は大きく分けて二つある。
一つがポートフォリオリバランス効果。中央銀行(日銀)は金融機関などが保有する国債を買って、マネーを供給する。金融機関には国債の代わりにマネーが入ってくるために、新たに資産を購入して保有資産の構成を組み替える。これがポートフォリオリバランス効果である。
まず量的緩和に素早く反応するのが、為替、株式といった金融市場。円が大量に供給されて、ドルなどの外国通貨に対して相対的に円の量が増えると円安に動くと予想されるため、円を売って外貨建ての資産を購入するという動きが起こる(円安になると、円換算の資産が増えるため)。
そこで円安→輸出増→生産増→賃金・設備投資増→需要増→物価上昇という経路が想定される。金融機関が手に入れたマネーで株式を購入すれば、株価上昇→個人資産の増加・企業財務の改善→消費増・設備投資増→需要増→物価上昇につながる。
もう一つの効果が「予想インフレ率」の引き上げである。企業や消費者は中央銀行が将来にわたってマネーを供給し続けると予想すると、これから物価が上昇するだろうという期待が形成される。
(ダイヤモンド・オンライン)
需要=消費を増やすために、2%のインフレ目標も、円高・消費税増税により、物価は上昇している(消費税増税分を加味すると上昇している)が、消費が増えない。
消費税増税の影響がこれほどまでに大きいことを、政府は予想できず、判断を間違えたのでしょう。一度閉じてしまった財布のひもは、なかなか緩まない。
次の2017年4月からの消費税の再増税でに景気は持ち直すのか、再増税後、また数年間日本経済は低迷するのだろうか。
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