◇パ・リーグ ロッテ0-7西武(2015年4月29日 QVC)
京大出身初のプロ野球選手のデビュー戦は、ほろ苦い結果となった。ロッテのドラフト2位新人・田中英祐投手(23)が29日、西武戦で1軍初登板初先発したが、3回6安打5失点で敗戦投手となった。緊張を隠せない初回、1、2番への連続四球から崩れて4失点。立て直しがきかず、72球で交代を命じられた。首脳陣はすぐに2軍には落とさず当面の救援起用を示唆した。
3万100人の大観衆の「英祐コール」に鳥肌が立った。同時に、まるで宙に浮いているかのような感覚に陥った。「一番磨いてきた球なら、相手が振ってきても打ち取れると思った」。田中がプロ1球目に選んだのは直球。146キロが出たものの、内角低めの明らかなボール球だった。
3ボールから1ストライクを入れたが、5球目で秋山に四球を与えた。「落ち着け、大丈夫」と自分に言い聞かせても、緊張は増すばかり。栗山はボール4つで歩かせ、続く浅村の中前打でプロ初失点した。中村、森にも適時二塁打を許し、1回だけで4失点。3回に3連打で1点追加され、舞台から降りた。
「アウトを一つ取る難しさをあらためて痛感した。最後まで自分の投球ができなかった」
あまりにも苦いデビュー戦だった。
兵庫・白陵高から京大工学部へ。勉学のエリート街道を進んだ。京大で投手としての才能を開花させ社会人野球の強豪チームを持つ大企業からはいくつも誘いがあった。ただ、それらは大学4年になる前に全て断った。相談を受けていた白陵高の高見繁統監督(57)は「かなり早い段階から覚悟を決めていたようです。プロに指名されなかったら野球をやめるということを」と明かした。野球をやるなら「京大初」のプロ――。先駆者になるという使命感があった。「成功すれば、いろんな方に勇気を与えられる。険しい道だけど、新しい道を切り開きたい」と強く思った。
進んだ道の一歩目で洗礼を浴びた。伊東監督は「これがプロの世界。今のままでは先発としては厳しい」と話しつつ「しばらくベンチに入れて状況を見て投げさせる」と当面は救援で使うことを示唆した。まずは経験を積むことが必要だ。
大勢の報道陣に囲まれた田中は、声を絞り出した。「きょうの失敗を笑って思い返せるようになりたい」。京大出身者が初めてプロの試合に出場した歴史的一日を、糧にすればいい。「文武両道」を貫く新人の挑戦は、始まったばかりだ。
(スポニチアネックス)
先発としては厳しいけど、今のままでは救援も厳しいと思うが、人気があるから、1軍において大量リード時や負け試合での中継なんでしょうか。
2軍に落として、場数を踏み実力を養うのも必要でしょう。
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