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2015年6月30日火曜日

新国立競技場 工費圧縮へ設計から出直せ 読売新聞社説

 
 2520億円もの巨費を投じることに、果たして国民の理解を得られるのだろうか。

 下村文部科学相が、新国立競技場の建設計画の見直し案を公表した。建設費は、基本設計時の1625億円を約900億円も上回る額となった。

 ラグビーワールドカップ(W杯)の開幕4か月前となる2019年5月に完成する予定という。

 2本の巨大アーチで開閉式屋根を支える特殊構造は、工費が膨らむ主因とされながらも、変更に至らなかった。

 開閉式屋根を設けるのは、工期の関係から、20年の東京五輪後に先送りされる。屋根の設置費を除いても、これほどの額を要するとは、驚かされる。巨大アーチを用いる構造そのものを取りやめる選択肢はなかったのか。

 国内の著名建築家は、工費を抑え、ラグビーW杯にも間に合う代替案を示していた。下村氏は「間に合う可能性もないわけではない」と語った。それならば、大胆な見直しを決断すべきだ。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は、斬新なデザインが国際オリンピック委員会(IOC)から「大きな評価と期待」を得たと強調し、現行デザインでの建設に固執する。

 しかし、メインスタジアムに巨費を投じることは、開催費用の削減を図るIOCの五輪改革の流れに逆行するだろう。悪あしき前例を作れば、財政事情を理由に、五輪開催に尻込みする都市が出てくるかもしれない。

 財源確保のメドが立たぬまま、見切り発車する下村氏の姿勢も問題である。建設費には、国費のほか、事業主体の日本スポーツ振興センター(JSC)が運用する基金を取り崩して、振り向ける。

 スポーツ振興くじ(toto)の売り上げのうち、競技場建設に充てる割合は、現行の5%から10%に引き上げられる見通しだ。

 東京都にも、500億円超の負担を改めて要請する。

 ただし、こうした措置を合わせても、2520億円に及ばないのは明らかだ。下村氏は、寄付など「民間の協力もいただく」と述べたが、目算が甘すぎる。

 JSCが12年に総工費1300億円を想定して国際コンペを実施して以降、建設費が何度も大きく変動する迷走には、あきれるばかりだ。JSCと、所管の文科省の責任は重い。将来に禍根を残さぬよう、徹底検証が必要である。

 新国立競技場を東京五輪の「負の遺産」にしてはなるまい。
(読売新聞)

 総工費が高過ぎで、国民の理解は得られない。
 ロンドン五輪のメインスタジアムの総工費800億円と比べても高額。

 無駄な税金を使わないで、他に有効な税金の使い方はいくらでもあるだろう。

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