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2015年6月25日木曜日

輸入違法性認識が焦点=「父親が送付」と説明―トヨタ役員、麻薬密輸事件

 米国から麻薬の錠剤を密輸したとして、トヨタ自動車の常務役員ジュリー・ハンプ容疑者(55)が麻薬取締法違反容疑で逮捕されてから25日で1週間。捜査関係者によると、ハンプ容疑者は「膝の痛みを和らげるために輸入した」と話している。また、麻薬の錠剤について「父親から送ってもらった」との趣旨の説明をしているという。
 麻薬を密輸した違法性の認識の有無が焦点となっており、米国での同容疑者の医療用麻薬の使用状況や、発送された経緯などについて、警視庁は米司法省に協力を求めることも視野に捜査を進める。
 宅配便は米ミシガン州からケンタッキー州の空港経由で6月8日(現地時間)に発送された。11日に成田空港の税関で、小箱にネックレスやペンダントとともに、「オキシコドン」の錠剤57錠が入っているのが見つかった。内容物は「ネックレス」と申告され、東京・六本木のホテルに滞在していたハンプ容疑者宛てだった。
 警察当局は、日本に送付されたオキシコドンは、父親に処方されたものとみている。
 錠剤は開封してもすぐに分からないように小箱の底などに小分けされており、警視庁は麻薬と認識し、意図的に隠したとみている。同容疑者は逮捕当初の取り調べに「麻薬を輸入したとは思っていない」と容疑を否認していた。
 オキシコドンはモルヒネのように鎮痛作用があり、医療用麻薬として使用されている。治療目的で海外から持ち込むには、医師の診断書を提出して厚生労働省の許可を得た上で患者本人が携帯する形のみ認められている。郵便などで送ることはできない。オキシコドンは依存性があり、米国では乱用が社会問題になっている。
(時事通信)

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