都議選の真っただ中で発射された「文春砲」に下村氏は、いら立ちを必死で抑えながら「選挙妨害目的と受け止めざるを得ない」と強い口調で言い切った。午前11時、党本部の会見場に詰め掛けた約100人の報道陣の前で、紙に時折目を落としながら、約15分間にわたってコメントを読み上げた。
この日発売された週刊文春は、政治団体「博友会」の収支報告書に加計学園が購入した計200万円のパーティー券の記載がなかったとしている。政治資金規正法では、政治団体は20万円超のパーティー券を購入した場合、報告を義務づけている。
下村氏は13、14年に加計学園の秘書室長から政治資金パーティー券の購入代金計200万円を受け取ったことは認めたが、それは学園以外の計11の個人、法人からのものだったとし「学園から寄付もパーティー券の購入もしてもらったことはない」と主張。「いずれも個人、企業が1社20万円以下で購入した。秘書室長が取りまとめて現金を持参したので領収書を作成した」と説明し「加計学園が購入したものではない。記事は事実に反する」と反論した。
さらに下村氏は、情報提供者についても言及。特定できていないとしながらも「事務所のデータを持ち出せるのは内部にいた者と考えざるを得ない」として、疑惑があるのは「現在自民党以外から都議選に立候補している私の元秘書」と主張。会見中には元秘書の直筆署名が入った上申書を配布。その文書によると、元秘書は、事務所のノートパソコンを隠し、業務を妨害したことと現金を詐取したことを認め、謝罪したとされている。
元秘書はこの日、「私が週刊文春側に下村氏の事務所のデジタルデータを提供した事実はない」とするコメントを出した。さらに「上申書は偽造文書で、私の筆跡ではない。犯罪行為をした事実はない」と反論した。元秘書は「都民ファーストの会」から都議選に立候補している。
下村氏は情報提供者に対して偽計業務妨害で刑事告訴を、週刊文春に対しては名誉毀損(きそん)で告訴を検討しているという。
都民ファーストと激しい選挙戦を繰り広げる中、豊田真由子衆院議員(42)のパワハラ騒動、稲田朋美防衛相(58)の失言など自民党に吹くのは逆風ばかり。
下村氏は「責任を取る必要はないと考えるか」と問われると「事実と違うから、責任を取るとかいう立場では全くない。疑念があれば選挙後に説明する」と会見を約35分間で打ち切った。
(スポーツ報知)
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