和泉氏は昨秋の面会の記録について「確認できない」と説明しているが、前川氏は自身のスケジュールを管理しているスマートフォンを示しながら、昨年9月5日午前10時25分にアポイントが入ったと証言。このとき初めて獣医学部新設の手続きを急ぐよう求められたとし、「私の記憶では、補佐官は『総理は自分の口から言えないから私が代わって言う』とおっしゃった」と語った。
また、翌10月17日午後3時45分にも面会の日程が入り、「『早く結論を出せ』ということを言われた」と明らかにした。
昨年8月下旬、文科省OBで当時内閣官房参与だった加計学園の木曽功理事から事務次官室で手続きを急ぐよう求められた際は「内閣官房参与という肩書で来られたと思う」と指摘。「政府側の立場と規制緩和を求める法人の立場と両方持っている。利益相反的な問題はあった気はする」と述べた。以前から加計学園が獣医学部新設を目指していることは把握していたが、学園の計画を強く意識するようになったという。
内閣府が文科省に「総理のご意向」などと伝えたことを記録したとされる文書については、同じものを昨秋に担当の専門教育課から示されたとし、「上司への説明資料として作ったその場限りの文書。課長補佐らはこの件で、週1回くらい(説明に)来ていた」と説明。規制緩和が決まるまでの過程について、「本来尽くすべき議論がなされなかった」と振り返った。【杉本修作、遠藤拓】
◇文科省、長年「慎重」姿勢
文科省は獣医師過剰を防いで質を確保するとして、獣医学部の新設や定員増を認めない方針だった。政府は2015年6月に「既存の獣医師養成ではない構想が具体化」するなど一定の要件の下で獣医学部新設特区を検討する方針を閣議決定したものの、それから1年以上、具体的な動きに乏しかった。
文科省は16年9月16日の国家戦略特区のワーキンググループでも、獣医師の需給を理由に慎重姿勢を崩さなかった。同21日の特区の区域会議では「(新設の)要件が満たされることを確認することが重要だ」として、容認へと軟化した印象に。
内閣府は同年10月28日に特区の原案を作成。文科省は11月2日に了承の方針を内閣府に伝え、同9日に「広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とする」との規制緩和が決まった。この間、官邸側から前川氏への働きかけが強まっていたとされる時期と符合し、安倍晋三首相も加計学園の加計孝太郎理事長とゴルフや会食を重ねていた。首相は国会で、学園からの相談などについて「一切ない」と答弁している。
(毎日新聞)
きちんと調査して、説明しないと誰も納得しない。
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