ついにつかんだ大関の座。「緊張した」という昇進伝達式を終えると高安の表情は穏やかになった。「込み上げるものがある。この世界に入って自分がこの場に立てるとは思っていなかった。本当に幸せ」と感慨に浸った。
伝達式の口上は「大関の名に恥じぬよう、正々堂々、精進します」と述べた。「一生に一度なので、かまないように心がけた。自分の気持ちを正直に言えた」と満足げだ。「正々堂々」は三役で初めて勝ち越した昨年名古屋場所から意識してきた言葉。「態度が正しくて立派な様子」「公正で偽りなく、真正面から事を行うこと」などの意味があるように、どんな相手にも真っ向勝負で臨んで番付を上げた。くしくも同じ茨城県出身の武双山(現藤島親方)が大関昇進の際に使った言葉と重なった。
最初の大関獲りに失敗した昨年九州場所は「守りに入って悔いが残った」という。そこから「攻める相撲をしようと取り組んできた」。大関は格下力士を迎え撃つ立場だが「名古屋でも攻める相撲を見せたい」と大関昇進につなげた攻めの姿勢は貫いていく。
高安が考える大関像は「どんな状況でも顔色一つ変えずに胸を張っている」というもの。威厳を示しながら見据えるのは最高位の横綱だ。「上に上がるには優勝するしかない。それを目指していきたい」と早くも優勝という言葉も飛び出した。
15日制以降の新大関優勝は、千代の山(49年秋)、若羽黒(59年九州)、清国(69年名古屋)、栃東(02年初)、白鵬(06年夏)の5人だけ。4横綱3大関の豪華番付になるからこそ、新大関場所から正々堂々と存在感を示していく。
(スポニチアネックス)
横綱になるためには優勝しかない。
0 件のコメント:
コメントを投稿