参議院予算委員会で、共産・小池書記局長は「怪文書だ、印象操作だと、否定し続けたじゃないですか」と述べた。
安倍首相は「この間ですね、時間がかかったこと。そして、この対応について、さまざまなご批判があることについては、私も総理として真摯(しんし)に受け止めたい」と述べた。
文部科学省が、「総理のご意向」、「官邸の最高レベルが言っている」と記された文書の存在を明らかにした中、安倍首相は何を語るのか。
その集中審議が始まる前に、与野党の間で、すでに火花が。
自民・役員連絡会で、自民・高村副総裁は「野党の一部にある、ゲスの勘繰りを払拭(ふっしょく)していただきたい」と述べた。
民進・代議士会で、民進・蓮舫代表は「高村自民党副総裁ですか。『野党の一部にある、ゲスの勘繰りを払拭してもらいたい』と発言した。それこそ、ゲスの極みじゃないでしょうか」と述べた。
そして始まった、野党による安倍首相への追及。
民進・福山参院議員は「総理が、『自分が言ってない』とか、『やってない』とか言っても、どう見ても、これは総理が言っている可能性があります」と述べた。
安倍首相は「私は常に、岩盤規制改革を全体として、スピード感を持って進めるように、常々指示をしてきている。しかし本件について、具体的に指示したり、働きかけをしたことは一度もない」と述べた。
加計学園の指定などについて、「働きかけは一切ない」と、あらためて否定した安倍首相。
追及は、文科省が新たに公表した文書にも及んだ。
萩生田官房副長官が、広域的に存在しない地域に限ると、認可条件の修正を指示したようだとされる、メールと文書。
民進・福山参院議員は「萩生田副長官は、こういった形で指示を出されたことはございますか」と述べた。
萩生田副長官は「私が修正の指示を出したことは、全くございません。昨日、文科省が公表したメールに、大変戸惑いを感じております」と述べた。
これについて、山本地方創生相は、修正は自らの指示だったとしたうえで、「その(メールを)作った方は、直接の担当者でもありません。ただ、文科省から出向してきた方でありまして、それが不適切なことでありますが、陰で隠れて、本省の方にご注進したというようなメールであります」と述べた。
民進・福山参院議員は「自らの職員に向かって、『陰に隠れて』。えー? 安倍政権は、何か問題が起こると、必ず役人のせいにする」と述べた。
「ゲス」と、ののしりあった与野党の攻防も、事実上の会期末を迎え、いったん終了。
しかし、加計文書をめぐっては、文科省と内閣府の間で矛盾が。
山本地方創生相は「『官邸の最高レベルが言っている』とか『総理のご意向』などと伝えた認識はなく、また総理からもそうした指示等は一切ありませんでした」と述べた。
16日朝、内部調査の結果を公表した内閣府。
8つの文書の存在を確認したことを明らかにしたが、「総理のご意向」発言などについては否定した。
この発表に、義家文科副大臣は、「(文科省担当者は)メモに書かれていることが、自分が作成したと思われる以上、そのような受け取り方、そのような声があったんだと」、「(発言にうそはない?)やってきた汗に全くのうそも、全くのごまかしもない」などと述べた。
文科省幹部は、「結局、官邸は無傷で、文科省と内閣府の責任でしょ」、「発言は実際あったと思うよ。『官邸の最高レベルが...』、『総理の意向』みたいな言い方は、いろんな場面であふれてるからね」などとしている。
結局、「総理のご意向」が働いたのかどうか、わからないままの幕引き。
国民には、理解を得られるのか。
(フジテレビニュース)
官邸無傷も、支持率低下につながるだろう。
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