文科省の中堅職員がこう声を潜める。
加計(かけ)学園が国家戦略特区に新設を予定している獣医学部。すでに建設が進んでいることから、開学は既定路線と思われがちだが、それは甘い。文科省OBが説明する。
「現状は国家戦略特区の諮問会議が52年ぶりに獣医学部の新設を認める方針を打ち出し、加計学園が設置認可申請を出したにすぎない。本当に開学にこぎ着けるためには、審議会の許可が必要なのです」
その結論が出るのは8月末。もし、ここで審議会が「認可不適当」と判断すれば、森友学園同様、校舎はできても開学できないという事態になりかねない。果たして、審議会はどのような結論を出すのか?
前出の中堅職員が展望する。
「これだけ世間に注目されると、審議会としてもお手盛りは無理。公明正大に審査するしかない。実は審議会は5月末、加計学園の新獣医学部は『定員や教員の態勢に問題あり』との報告を出しているんです。定員160人と国内最大規模となる計画なのに、教員はわずか70名。それも65歳以上の元教授や学位のない若手研究者が目立つ。これで本当に充実した教育ができるのかと審議会が疑問視するのも当然です。この懸念をスルーして認可すれば、『忖度(そんたく)だ!』と批判が上がるのは間違いない。そうならないよう、最低でも大幅な開学プランの見直し要求、場合によっては不認可も十分ありえます」
不認可なら獣医学部新設の夢はパー。プラン見直しでも開学時期が大幅に延び、加計学園の「野望」に黄信号が灯(とも)ることになる。
加計学園にとって、不安材料はもうひとつある。
「文科省内には前川前事務次官を慕う『奇兵隊』という官僚グループがあります。『奇兵』は前川氏の名前の『喜平』をもじったものです。この『奇兵隊』関係者が、今問題になっている『総理のご意向』文書に続く第2、第3の告発ネタをリークするという噂が省内でささやかれているんです」(前出・文科省OB)
すでに「総理のご意向」文書は「省内の複数の部署で、共有されていた」と文科省職員が証言し、怪文書と一蹴してきた安倍政権にダメージを与えている。その上、さらに第2、第3の告発リークが炸裂(さくれつ)すれば、もはや官邸はギブアップ、審議会も不認可を宣言するしかない。
加計学園の森友学園化がいよいよ現実味を帯びてきた。
(週プレニュース)
官僚の抵抗はおもしろい。
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