鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)グループの元代表(87)が衆院議員を辞職した吉川貴盛元農林水産相(70)に現金500万円を提供したとされる事件で、アキタ社が昨年、吉川氏のパーティー券約300万円分を購入しながら、名義を複数の個人と偽り収支報告書への記載を避けた疑いのあることが30日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は吉川氏について、収賄容疑のほか、政治資金規正法に違反する可能性もあるとみて捜査をしているもようだ。 アキタ社関係者によると、同社は他の複数の国会議員のパーティー券も、アキタ社が支出して購入しながら、社員の個人名やグループ会社などの名義に偽装し、同様に処理していた疑いがあるという。 政治資金規正法は、パー券について、20万円超の購入者と金額の公開を義務付けており、名義を偽ることや、1回で150万円を超える購入を禁じている。 関係者によると、吉川氏の団体が昨年開いたパーティーでは、アキタ社が約300万円分を購入したとみられるが、吉川氏側の収支報告書に記載はなかった。また、アキタ社は長年支援していた元法相の衆院議員、河井克行被告(57)=公選法違反罪で公判中=側からも、平成29年にパー券を購入したことが政治資金収支報告書に記載されているが、実態は別の年も含め、さらに多額の購入があった疑いがある。
アキタ社関係者は「複数の政治家のパー券をアキタ社は買っていたが、パー券という事実上の献金を隠したい政治家が多かったのではないか」と話した。
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複数の自民党議員が同様に偽装しているのだろう。