臨時国会が事実上閉会し、菅義偉首相が4日、記者会見を開いた。経済対策と実績を強調する一方、新型コロナウイルスを抑え込むための具体策には、これまで以上に踏み込むことはなかった。「日本学術会議」や「桜を見る会」などの疑念には、国会での質疑と同様、質問に正面から答えなかった。 【写真】会見する菅義偉首相=2020年12月4日午後6時4分、首相官邸、恵原弘太郎撮影 約2カ月半ぶりに国内で開いた記者会見で、首相が力を込めたのは、新型コロナウイルス感染症対応と、この間の「実績」だった。 コロナ対応では「国民の命と暮らしを守る」とする考えを改めて強調。8日に閣議決定する経済対策の中身に触れ、雇用調整助成金の特例措置の延長や、ひとり親世帯への現金給付など厳しい環境下にある国民の支援策を拡充する方針を示した。コロナ後の「新たな成長の突破口を切りひらく」として、脱炭素を中心とした環境投資のための基金創設やデジタル対応の促進策なども挙げ、「国民生活の安心を確保し、将来の成長基盤をつくる」と述べた。 9月の政権発足以降の「実績」も列挙した。首相肝いりの「菅(すが)案件」と言われる不妊治療の助成制度の拡充については、助成額などを交えて具体的に説明。携帯電話料金の値下げでも、社名は伏せたものの「大手の1社が20ギガで2980円という料金プランを実現するとの発表があった」などとNTTドコモの新プラン料金を例示して、「一つの節目を迎えた」と胸を張った。 その一方で、臨時国会などで野党の追及などを受けてきた課題では、多くを語らなかった。 経済活動の制約につながるようなコロナ対策には引き続き慎重で、首相肝いりの観光支援策「Go To トラベル」の見直しを問う質問には、11月下旬以降の運用の見直しを説明するのみだった。「何が地域経済を支えるのに一番役立つのかということで判断している」と、支援策の意義も強調した。 日本学術会議が推薦した6人の会員候補を任命しなかった理由について、記者から「今国会で説明不足を指摘する声が相次いだ」と改めて問われたが、首相は「やはり人事に関することで説明を控えさせていただく」と口をつぐんだ。学術界の反発が広がるとの思いはあったか尋ねられると「かなりなるんではないかと思っていた」と述べた。
安倍晋三前首相の後援会が「桜を見る会」の前日に開いた夕食会の費用を安倍氏側が補塡(ほてん)した疑惑については、国民に事実関係を説明するかどうかただされても、「必要があれば、私自身が安倍前総理に確認しながら答弁を行ってきた」などと官房長官時代の対応を語るだけで正面から答えなかった。
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この首相、国民に何も答えていない。Gotoごり押しで、多少の犠牲者が出ても、経済政策の成果を強調するのだろう。
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