東京五輪に出場する侍ジャパンが、日本ハムのドラフト1位・伊藤大海投手(23)を追加招集することが4日、分かった。巨人・菅野智之投手(31)がコンディション不良のため、3日に代表内定を辞退。代役が必要となっていた。最近5戦5勝と絶好調の右腕は、広島・栗林に続いて新人2人目の抜てきとなる。投手陣の大黒柱を失う緊急事態で、道産子の若き剛腕が救世主に指名された。
救世主は北の国からやって来る。稲葉監督が「国際経験も豊富な彼には投手陣を引っ張ってもらいたい」と期待した菅野がコンディション不良で辞退。ポジション別のリーダーに田中将、山崎、坂本、菊池涼とともに「侍五人衆」として名を挙げた柱を失った。代役に指名されたのは、新人右腕・伊藤だった。
5月28日の中日戦から5戦5勝中。交流戦では3勝、防御率0・90で投手2冠を達成した。6月6日には菅野と先発で対戦し、7回1失点で投げ勝った。右の上手投げから150キロを超す直球は力感が強い。加えて、空振りを量産する縦に変化するスライダーが光る。侍首脳陣が重視する、各投手しかない「特殊球」に値する。まだプロ通算6勝だが、存在感を発揮できると判断された。
内定24選手発表後、会沢、中川に続き3人目の辞退者が出た。梅野を呼び、千賀の招集も決めたが、投手陣は11人という少ない枠の中でのやりくりが求められる。伊藤は先発だけでなく、中継ぎでの適性も高く、経験もある。18、19年の日米大学野球選手権に2年続けて大学侍ジャパンに選出され、救援と先発でフル回転。3年時の19年は守護神として3大会ぶり優勝に導いた。日本ハム入団時は抑え起用の構想も浮上した。今年2月のキャンプ視察時に稲葉監督は「ボールの強さもあるし、完成度が高い。特にマウンドでの気持ちの強さ。(候補に)入っています」と高い評価と、3月提出の185人の1次登録リスト入りを明言していた。先発も、中継ぎもこなせる伊藤の存在は、投手起用に大きな幅をもたらすこともできる。
プロが参加するようになった00年シドニー五輪以降、新人の五輪代表選出は栗林で初めてだったが、一気に2人が日の丸を背負う。函館に近い茅部郡鹿部町出身。駒大進学後半年で一度退学し、地元の苫小牧駒大に再入学したため、規定で1年間公式戦に出場できず遠回りもした。北の大地の恵みと厳しさが育んだ道産子右腕。侍の危機を、フレッシュな新風が吹き払う。
◇伊藤 大海(いとう・ひろみ)1997年(平9)8月31日生まれ、北海道鹿部町出身の23歳。鹿部小2年から野球を始め、駒大苫小牧では2年春に甲子園出場。卒業後は駒大に進学したが、その年の10月に中退。17年に苫小牧駒大に再入学した。1年時は規定で出場できず、2年春に北海道六大学リーグ初登板。4年秋は防御率0.55で最高殊勲選手に輝いた。2、3年時に大学日本代表入り。1メートル76、82キロ。右投げ左打ち。
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日本の救世主になるだろう。
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