6月のアメリカン・リーグ月間最優秀選手に選出された大谷翔平の勢いは、7月も止まりそうにない。この日も文字通りの“ショウ・タイム”である。
現地7月2日(日本時間3日)に本拠地エンジェルスタジアムで行われたオリオールズとのシリーズ初戦に、2番・指名打者で先発出場したエンジェルスの大谷は、3回の第2打席で球宴前の本塁打数として、トラウトの持っていた球団記録を更新するノーダウター(打った瞬間それと分かる本塁打)の29号を右翼スタンドへ叩き込む。
そして、続く第3打席では逆方向へ逆転の30号2ランを放ち、走っては同点で迎えた9回裏に二盗を決め、今季の盗塁を12に伸ばすと、さらにウォルシュの右前打で俊足を飛ばして本塁に生還し、サヨナラのホームを踏んだ。
『MLB.com』が試合後に掲載した速報記事によると、「オオタニはアメリカン・リーグの選手として、史上初めてシーズン最初の81試合で30本塁打10盗塁を達成した」とのこと。
ちなみに、ナショナル・リーグではカブスのサミー・ソーサ(1998年)と、当時カージナルスに在籍していたアルバート・プホルス(2009年)の2人が、これを達成している。
また、真の二刀流としての活躍から、頻繁に“ベーブ・ルース以来”の偉業を達成している大谷だが、現地メディアの間では、既に“ベーブ・ルース越え”の声も上がっている。
アメリカの『ヤフースポーツ』に記事を寄稿しているジャック・ベア記者は、同日付で“ショウヘイ・オオタニはあらゆる歴史を作っている”と題した記事を投稿。
この試合で大谷がトラウト越えの29号を放ち、さらに球宴前の30本塁打10盗塁を達成したことから、記事の冒頭で、「ショウヘイ・オオタニが特別であることを見せる方法に事欠くことはないわけだが、金曜のパフォーマンスは、それだけで十分にそのことを照明した」と伝えた。
記事では大谷とベーブ・ルースの比較について、「実際のところ、我々はここまでのパワーとピッチングのコンビネーションは未だかつて見たことがなかった」とした。
その上で、「というのも、文字通り現時点でオオタニにとって有用な歴史的先例であるベーブ・ルースでさえ、投手として継続的にプレーしていた頃には、30本塁打には達していないのである」とし、事実上、二刀流選手として大谷は既にベーブ・ルース越えを果たしていると論じた。
なお、記事によると、ルースが先発投手として1試合以上出場したシーズンで記録したシーズン最多本塁打は、レッドソックス時代の1919年に記録した29本だったとのこと。
そして、上記の事実に加え、この日の試合でも走力の高さを遺憾なく発揮した「オオタニはエリートレベルのスピードも持っている」とし、「結論として、今年のオオタニによるパワーとピッチングのコンビネーションは前代未聞であり、さらに我々は彼のパワーとスピードのコンビネーションも時折目撃しているのである」とした。
つまり「端的に言うと、彼は野球史上初の正当な10ツールプレーヤーであり、しかも彼はまだ駆け出しなのかもしれないのである」と、今季の大谷が如何に希有な存在であるかを強調した。
なお、『MLB.com』は現地2日付の記事で、28人の専門家によるMVP中間投票の結果を発表。大谷はアメリカン・リーグのMVP投票で、1位票23票を獲得し(2位は1位票の5票のウラジミール・ゲレーロJr.)、堂々の首位に君臨している。
J SPORTS 編集部
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ベーブ・ルースを超えたは、おもしろい。トラウト超えも素晴らしい。
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