止まらない温暖化の先は なぜ今、大胆に脱炭素化を目指し始めたのか【他人事ではない、気候変動の脅威】
最も恐ろしいシナリオは気温上昇による「臨界点突破」
では、もしこのまま対策を強化せず、気温が上がり続けるとどうなるのだろうか。最も恐るべきシナリオは、温暖化の暴走、いわゆる「ホットハウス・アース(温室地球)」という現象だ。 これは温暖化がドミノ倒し的に加速して後戻りできなくなる状態だ。永久凍土が大量に融解し、広範囲にわたって森林は死滅して、温暖化の歯止めが利かなくなる。気温は一挙に5℃上昇し、海面は6~9m上昇、サンゴ礁とアマゾンの熱帯雨林は完全に失われ、地球上のほとんどの場所が居住不可能になるという。2018年に提唱された仮説ではあるものの、続く同年の1.5℃報告書は、ホットハウス・アースは2℃の気温上昇でも起こりうると指摘した。 温暖化の暴走は、南極の氷の融解でも起きるという予測もある。この5月に学術誌「ネイチャー」に発表された論文によると、世界の気温上昇が2℃を超えれば、「暴走するプロセス」のせいで、南極では2060年頃から氷の融解が急激に進むようになり、2100年までの海面上昇が2倍近くになる可能性が指摘された。 温暖化の影響予測については、北極海の氷に関する研究結果も多い。たとえば、2020年8月に学術誌「Nature Climate Change」に掲載された論文では、昨年の7月の北極海の海氷面積は1979年以降で最小を記録し、北極海の夏の氷は2035年までに完全に失われる可能性が高いという。 日本の文部科学省と気象庁は昨年末に「日本の気候変動2020」を発表し、パリ協定前にIPCCが発表した最も温暖化が進むシナリオ(RCP8.5)の場合、21世紀末には20世紀末と比べて平均気温が4.5℃上昇すると予測した。すると、東京の気温はほぼ今の屋久島並みになる。また、猛暑日は約19日増加し、雨の降り方は極端になり、1日の降水量が200ミリを超える大雨の日は倍増するという。
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100年に一度の災害が、毎年、頻発するのでしょうか。
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