9月29日投開票の自民党総裁選への出馬を表明した岸田文雄前政調会長(64)は、菅義偉首相(72)との政策や政治スタイルの違いに加え、首相を支える二階俊博幹事長の続投を認めない姿勢を前面に出す構えだ。
在職5年を超えた二階氏に対しては党内に不満が渦巻いており、劣勢と目される議員票で切り崩しを期待できるからだ。
岸田氏は28日、地元・広島市で党広島県連の会合に出席し、出馬の決断を報告。関係者によると、出席者から二階氏批判の声が上がった際、「二階幹事長のありように国民が関心を寄せている。風通しの良い政党にする」と述べ、党役員任期を最長3年とする公約について説明した。
岸田氏は二階氏と27日に面会した際の様子にも触れ、「どんな反応をされるかと思ったが、上機嫌だった。したたかな政治家だと思った」と振り返っていたという。県連は岸田氏の全面支援を決めた。
岸田氏が26日の出馬記者会見で強調したのは、「助け合う社会」など首相との対立軸に加え、党役員任期の限定を柱とする「ガバナンス改革」だった。岸田氏は「誰かを狙ったものではない」としているが、党内では「二階外しが主眼」(細田派中堅)との見方が大勢だ。
岸田氏の訴えの背景には、党内に「二階氏の党運営は我田引水」(竹下派中堅)との不満が充満していることがある。実際、二階派メンバーが人事で優遇されるケースが目立ち、党資金の使い方も不透明との疑念がくすぶる。二階氏を頼りにしてきた首相には打ち出せない強力なアピールポイントと言える。
二階氏のほか安倍晋三前首相、麻生太郎副総理兼財務相が首相再選支持の立場を取る中、岸田氏はこれまでのところ議員票で劣勢とみられている。ただ、安倍、麻生両氏はかねて二階氏と緊張関係にあり、「二階外し」は首相の支持基盤にくさびを打ち込む形にもなる。
県連の会合後、岸田氏は近く安倍氏を訪ねると明かし、「ぜひ私の思いや政策を理解いただけるよう努力したい」と表明。同時に「何と言っても国民、党員に向いて選挙を進めなければいけない。それがひいては議員や実力者に影響してくる」と語った。
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二階外しはおもしろい。菅首相再選では、自民党大敗でしょう。
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