退陣表明後初めて行われた9月9日の首相会見。抽選で当たって会見に参加した日刊ゲンダイ本紙記者は例によって指名されなかったが、当日、書面で質問を送ると、きのう(16日)回答が届いた。
会見で菅首相はわざわざ資料を配布し、ワクチン接種や死者の減少などを自画自賛。自宅療養者の死が相次ぐ現実について、首相の現状認識と対応について質問した。
また、菅首相が繰り返す「国民の命と暮らしを守る」との決意とは異なる結果が生じていることについての責任と謝罪を問うた。質問と回答を全文掲載する。
記者は菅首相の会見にこれまで6回参加したが、結局、一度も当てらず、最近は当てられる気配も感じなくなっていた。
(取材・文=生田修平/日刊ゲンダイ)
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【日刊ゲンダイの質問】
本日の会見で配布された資料の3枚目には、4月1日~5月31日(61日間)と7月10日~9月8日(61日間)を比較し、死亡者数(累積)が3886人から1590人へと「60%減」とあります。会見でも菅首相が言及しました。
今、国民が知りたいのは、ワクチン接種により死者数が60%減ったことではありません。入院できずに十分な治療が受けられない自宅療養者の無念の死が相次いでいます。その現実に対して、菅首相がどう向き合い、どんな策を講じているかです。
そこで、4月1日~5月31日(61日間)と7月10日~9月8日(61日間)について、それぞれの全国の自宅療養者の死者数(累積)と、増減率を教えてください。その上で、見解を述べてください。
自宅療養者の死が相次ぐのは十分な医療を提供できていないからです。救えた命も少なくないと思われます。それは政治の責任だと思いますが、菅首相はどう思いますか。菅首相はきょうの会見で、「国民の命と暮らしを守る、この一心で走り続けてきました」と言いましたが、自宅療養者の死が示すように国民の命を守れていません。その責任をどうお感じか。杉並区の田中区長や埼玉県の大野知事は行政に落ち度があったコロナ患者の死亡について謝罪しています。菅首相は国民の命を守れなかったことについて謝罪するつもりはありますか。
【首相回答】
●警察庁のデータによれば、令和3年に警察が取り扱った新型コロナ陽性のご遺体のうち、自宅等(入所施設や宿泊施設等を含む。)で亡くなられ、生前にPCR等の検査が実施され、かつ、死因が新型コロナウイルス感染症であった方は、4月は26人、5月は24人であったのに対し、7月は10人、8月は93人であったと承知しています。今回の感染拡大において、感染者数の急激な増加に伴い重症者数が過去最大の規模となり、自宅で亡くなられるケースも増えていると承知しており、大変重く受け止めています。
●自宅で療養する方々には、しっかりと状況を把握し、必ず連絡をとれる体制をつくることが極めて重要と考えております。このため、パルスオキシメーターを配布するとともに、身近な診療所による健康観察、症状が悪化した方への往診やオンライン診療等を行える体制の整備などに取り組んでおります。併せて、症状が悪くなればすぐに入院できる体制を整備するため、病床やホテルに加え、全国で酸素ステーション、臨時の医療施設などの増設にも取り組んでおります。
●こうした中、今、私がやるべきことは、この危機を乗り越え、安心と賑わいのある日常への道筋をつけることであり、そのことが総理大臣としての責任であると考えています。引き続き、国民の命と暮らしを守るという決意の下、各都道府県とも緊密に連携をしながら、必要な対策を進めてまいります。
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相変わらず質問に答えていない。謝罪の意思はないということでしょうか。
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