「順調に感染が減っていけば、9月の終わりごろには多くの地域で解除できる基準まで下がってくる」――。田村厚労相は10日、緊急事態宣言の解除を巡り、こう見通しを語った。菅首相が今月30日に総裁任期を迎えるタイミングで、「一区切り」としたいのか。
10日の全国の1日当たりの新型コロナウイルス陽性者数は8895人。先月20日の2万5868人をピークに減少しているものの、東京都内では自宅療養中の死亡者79人(今年)のうち34人が第5波の8月以降に亡くなる惨状だ。
にもかかわらず、菅政権から出てくるのは“楽観論”ばかり。ワクチン接種やPCR検査、抗原検査による陰性証明を前提とした行動制限の緩和まで前のめりで打ち出したが、今月末の期限に宣言を解除できるかどうかは、はなはだ疑問だ。昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)がこう言う。
「今のペースで新規陽性者数が減っていけば、解除基準に達する地域はあるかもしれません。ただ、政府の対策が実を結んで陽性者が減少しているとは考えにくい。地方は収束に向かう可能性がある一方、大都市はリバウンドする恐れがあります。決して楽観できません」
「10万人当たりの新規陽性者数」は30都府県でいまだステージ4(爆発的感染拡大)だ。米ワシントン大医学部の保健指標評価研究所(IHME)の予測によると、今月10~30日の日本国内の新規陽性者の減少率はわずか1.82%。
■リバウンドの予測も
一方、AIを用いたグーグルの感染予測の増減率を当てはめると、30日には9481人に増えている。シルバーウイークの影響を織り込んでいるのか。悲観的だ。
しかも足元では、およそ9割がワクチン接種を完了している高齢者の感染が増加中。都内の新規陽性者のうち65歳以上が占める割合は先月17日から1週間ごとに、4.3%→4.9%→5.3%と、ジワジワ上昇している。
「政府は宣言を延長したばかりなのに、行動制限の緩和も言い始めました。ワクチンを打ったから大丈夫、検査をしたから大丈夫と、自粛を緩める方向へ誤ったメッセージを伝えかねません」(二木芳人氏)
9日の会見で菅首相は“やり遂げた感”を演出していたが、無責任な幕引きなんて冗談じゃない。
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無能な政権のおかげで、行動制限緩和により、またリバウンドで、国民の命が失われます。
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