ロシア軍が包囲するウクライナ東部の港湾都市マリウポリで、食料や水、医薬品、電力などの不足が深刻化している。住民を退避させるための「人道回廊」設置で両国が合意していたが、9日には産婦人科・小児科病院がロシア軍に空爆され3人が死亡するなど、戦闘は継続。避難を希望する約20万人が取り残されている。
国連のドゥジャリク事務総長報道官は10日の記者会見で、9日の空爆は無差別に実施され「病院は女性や子供のために使われていた」と述べた。現地で活動する国連人権高等弁務官事務所職員が確認したという。
空爆についてロシアのラブロフ外相は、ウクライナ軍が病院を占拠し「患者はいなかった」と正当化していた。
侵攻前に約43万人が暮らしていたマリウポリは、連日激しい空爆や砲撃にさらされている。9日撮影の衛星写真では、食料品店やショッピングモールの屋根が焦げ、白煙が上がっているのが確認できる。
ロイター通信によると、10日にウクライナ5都市の計約4万人が「人道回廊」を通って避難した。一方でウクライナのゼレンスキー大統領は、マリウポリからは一人も避難できなかったと指摘。「(ロシア軍には)マリウポリを人質に取り、絶え間なく砲撃を加える命令が出ている」と批判した。ウクライナ側によると、11日も民間人の退避と支援物資の搬入を試みるという。
また、赤十字国際委員会(ICRC)は10日、現地からの音声報告をネット交流サービス(SNS)で公開し、厳しい状況を伝えた。英BBCなどによると、この報告は9日に録音されたものだという。
現地入りしたICRC職員の音声報告によると、小さな子供と母親だけが建物の地下シェルターに隠れ、12歳以上の子供や、母親以外の大人たちは事務所で寝泊まりしている。夜間は氷点下になるとみられるが、電力の供給は1日3~4時間のため厳しい寒さを耐え忍んでおり、報告は「食料は数日分しかない。寒さのため、多くの人が体調を崩し始めている」と伝えた。
同じ日に投稿された別の音声報告では「電気も水もガスの供給もなく、暖房もない。多くの人が飲料用の水を得ることができない」と惨状を訴えた。
物資不足の深刻さからか、周辺の店や薬局は4~5日前に略奪されたという。「多くの人が子供のための食料がないと言い、人々はいろいろな医薬品が必要だと言っている。特に(必要なのは)糖尿病とがん患者(の医薬品)だ。しかし、もはや市内で見つける方法はない」とも訴えた。【ロンドン横山三加子】
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約束を守らず無差別攻撃でマウリポリを人質に、キエフの無条件降伏を目論んでいるのでしょうか。キエフの市街戦で無意味に両軍と民間人の人命が失われるのでしょうか。
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