公的資金、株買い越し最大 14年度5兆円超
公的マネーが株式相場を押し上げている。2014年度、公的年金や日銀による日本株の買越額は5兆円を超え、過去最大になった。海外投資家を上回って東京市場の最大の買い手に浮上した。需給環境が大きく改善し、日経平均株価が14年度に3割上昇した原動力となった。ただ、急ピッチな資金流入で一部の銘柄に株価形成のゆがみが生じたとの指摘もある。
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は昨年10月、運用資産に占める国内株式の比率を12%から25%に高めることを決めた。これ以降、国債を売った資金で日本株を大量に購入してきた。
14年4~12月の購入額は約2.6兆円だった。今年1~3月にさらに買い増し合計額は3兆円を超えたもようだ。株価の低迷時に資金を振り向けた08年度(約2.7兆円)を上回り、「旧年金福祉事業団の時代を含めても最大の購入額」(ゴールドマン・サックス証券の西川昌宏金融商品開発部部長)になった。
政府は1992年から数年間、年金福祉事業団や郵便貯金などを通じ株価を下支えしたことがある。株価維持策(PKO)と呼ばれ、購入額は年2兆円程度とされた。14年度のGPIFの買いはPKOを上回る規模だ。
92年当時との違いはGPIFだけでなく日銀や他の共済年金も日本株の「買い手」になったことだ。日銀は昨年度、上場投資信託(ETF)を前の年度に比べ3割多い1.7兆円購入した。昨年10月末からは追加緩和の一環として購入ペースを3倍に増やしている。
国家公務員共済組合連合会などの共済年金もGPIFと同様に国内株式の比率を25%に高める方針で、すでに日本株を買っているもようだ。かんぽ生命保険も株式投資の拡大に動いている。GPIFや日銀の買いにこうした動きを加えると、14年度の公的マネーの買いは5兆円を大きく上回った計算になる。
東京証券取引所によると、年金などの売買が含まれる信託銀行の14年度の買越額は約3.5兆円と、6年ぶりの規模になった。海外勢は約2.5兆円の買い越しで、企業の積極的な自社株買いで事業法人も約1兆円を買い越した。一方で個人は約6.5兆円と大幅な売り越しだ。日本企業の株主が、個人から年金や海外勢に変わる構図だ。
2日の日経平均株価は大幅に反発し、終値は前日比277円高の1万9312円となった。「GPIFの買いは3月末でほぼ一巡した」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長)とみられているが、日銀がETFを年3兆円規模で買うなど公的マネーの支えは続いており、下値不安は小さい。株式上場を目指すゆうちょ銀行も株式投資を増やす方針を掲げている。
ただ、大規模な公的マネーの流入で市場の価格形成に影響もでている。公的マネーは幅広い銘柄をまとめて買う運用が中心だ。企業業績や株価水準に関係なく買うため、地方銀行や鉄道など普段は売買が少ない銘柄が急騰する場面が多く見られるようになった。
上場企業の業績は15年3月期に最高益を更新した可能性が高い。日本株の上昇は好調な企業業績が反映されており、海外の株式市場の水準と比べても割高感はないが「一部には需給でしか理由を説明できない値動きが散見される」(みずほ証券の永吉勇人チーフクオンツアナリスト)という。
(日本経済新聞)
なぜ、株高なのか。
日経平均、年初来高値更新で、2万円を超える勢いである。
株高だと、景気が良くなるような錯覚をおこすが、アベノミクスに騙されてはいけない。
公的年金の運用資金が、株式市場に流入している。また、短期投資型の海外のヘッジファンドの資金も流入し、株価を押し上げている。
ヘッジファンドの決算期は5月が多いみたいだから、今月と来月は、利益確定売りにより、株価が乱降下することも想定される。
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