[ワシントン 31日 ロイター] - オバマ米大統領は31日、エジプトのシシ大統領と電話会談を行い、これまで凍結していた軍事支援を解除すると表明した。
ホワイトハウスによると、凍結解除でF16型機12機、ハープーン・ミサイル20発、M1A1エイブラムス戦車最大125台の提供が可能となる。
オバマ大統領は、米議会に今後も年間13億ドルのエジプト支援拠出を求めていくとしたが、2018年度からクレジットによる軍事物資購入は認めないという。
さらに、支援の照準を対テロ対策、国境・海上およびシナイ半島の安全保障、既存の兵器システムの維持に合わせるとしている。
米国家安全保障会議(NSC)のミーハン報道官は声明で「この措置により、米国の支援が確実に、エジプトの安定化やテロ組織の壊滅など地域共通の目的達成のため使用されるようになる」と述べた。
(ロイター)
米国とエジプトの関係もおもしろい。
アラブの春で、ムバラク大統領が辞任し、ムルシ大統領誕生も、反政府デモにより、軍部が事実上のクーデターで、政権崩壊。現在のシシ大統領(軍事政権)に至る。
ムバラク政権から、30年くらい米国は、最近まで軍事支援してきた。
シシ政権の、ムルシ大統領を支持していたムスリム同胞団の弾圧により、人権侵害が行われているとして、米国との関係が悪化。軍事支援凍結。エジプト軍の武器は、アメリカ製だから、支援を受けないと、使えなくなる。
軍事独裁国家に、米国は、軍事支援しないこととなっている。
けれど、今般のイスラム国・イエメンによる中東状況の悪化により、軍事支援の凍結解除となった。
米国の立場とすれば、これまで民主的であったムルシ大統領を応援したかったが、ムルシ政権が復権すると、米国がこれまで育ててきたエジプト軍幹部に対するクーデターの処分が行われることを嫌ったようだ。
余談ですが、アラブの春は、民主化なんですが、イスラム教化することで、米国にとっての民主化ではなく都合が悪い。
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