最後まで諦めない。その気持ちが日本ハム・岡の思い切りの良さを生んだ。2点を追う9回。同点としてなお1死満塁。「みんながつないでくれたチャンスだったので、とにかく打ちたい気持ちだった」。戸田の初球を捉えた打球は左中間で弾んだ。勝利を決めた勝ち越しの2点打だった。
土壇場だった。球界のエース前田健に8回まで6安打2得点に抑え込まれた。その右腕が降板した直後の9回、雨脚が強くなる中で猛攻撃を仕掛けた。先頭の田中が四球。中田、近藤の連打で1点差に詰めよった。その後1死満塁で谷口が押し出し四球を選んで同点に追いつき、岡の一打につなげた。普段から岡を気にかける先輩・中田も「僕らもうれしいし、あいつにとっても大きい」と喜びを爆発させた。
初球打ちに迷いはなかった。ある日、岡がビデオで自身の映像を見返すと、中田がベンチから乗り出してじっくり観察してくれている姿を見つけた。その後、中田から「積極性が足りない」と指摘を受けて「本当に感謝している」。途中出場ながら、ここ一番でその助言を体現した。
栗山監督は「優勝した年(12年)の逆転もここ(マツダ)だよね。この流れを大事にしたいよね」と言った。同年5月20日の広島戦。0―4の9回2死から一挙5点を奪って逆転勝ちして、就任1年目の優勝につなげた。指揮官に3年前の出来事を思い出させる逆転勝ちで3連勝。貯金はその12年以来の10と、上昇ムードはこれ以上ないほど高まった。
▼日本ハム・大谷(2点を追う7回2死一塁で代打出場し、前田健に3球三振)いいコースに決まっていました。(最後の)“外スラ”が良かった。
▼日本ハム・屋宜(8回から登板。味方の逆転で今季2勝目)いつもと変わらずに力まず一球一球と思って投げた。
(スポニチアネックス)
たぶん、大部分の人は、日本ハムの負けを予想しただろう。
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