最高勝率チームとなって交流戦を終え、パ・リーグ2位でリーグ戦を再開させたソフトバンク。19日からは本拠地ヤフオクドームに首位・日本ハムを迎えて3連戦を戦い、今季リーグ戦では初となるカード3連勝。首位の座を奪い返し、逆に2・5ゲーム差をつけた。
この3連戦。ソフトバンクの強さが際立った感があった。
まず、19日の初戦。同点で迎えた8回。セットアッパーのバリオスが3四死球で招いた1死満塁のピンチ。ここでマウンドに上がった森福允彦が、西川遥輝を空振り三振、中島卓也を中飛に打ち取り、絶体絶命の危機を脱出した。
すると、9回無死一、三塁で代打・吉村裕基が、日本ハムの守護神・増井浩俊の初球を右中間へはじき返すサヨナラ打を放った。劇的な形でカード初戦を取り、首位の座を奪った。
20日の第2戦は、ソフトバンク打線が初回から爆発した。武田勝の立ち上がりを攻め、1死から川島慶三、柳田悠岐、内川聖一が三者連続二塁打。中村晃、今宮健太にも適時打が出て、一挙5点を奪った。3回には松田宣浩が18号2ランを放ち、4回にも柳田が14号2ラン。効果的に加点し、15安打11得点で圧勝した。
21日の第3戦は劣勢だった。日本ハムの先発メンドーサ、そしてメンドーサの負傷降板の後を受けた2番手・谷元を打線が攻めあぐねた。6回まで得点出来ず、2点のビハインドだった試合をひっくり返したのは、4番の一振りだった。
7回。クロッタから高田知季が四球を選び、福田秀平が右前打を放って1死一、三塁とすると、明石健志が中前適時打を放ってまず1点。スイッチした宮西尚生から、柳田が四球を選んで満塁とチャンスを拡大すると、内川が右中間を破る走者一掃の適時二塁打。逆転に成功し、3連勝。貯金を今季最多の15に伸ばした。
工藤監督「3つ勝ってくれたのは大きい」
「この3連戦と次の西武戦は大事。みんなが力を出して、3つ勝ってくれたのは大きいと思います」。3連戦を終えた工藤監督はこう語った。
ソフトバンクと日本ハム。打線で言えば、クリーンアップが勝敗を分けた。
ソフトバンクは、第2戦で柳田が5打数3安打3打点、内川も5打数3安打2打点、李大浩も5打数2安打1打点。第3戦では、内川がこの日唯一といえるチャンスで、きっちり逆転打を放った。
一方の日本ハム。初戦の5回、1死一、二塁で3番・田中賢介が右前適時打を放ったが、中田翔、大谷翔平が連続三振。7回も1死一、三塁で田中賢が中前適時打を放ったが、中田が三ゴロ、大谷は空振り三振に倒れた。
第3戦でも初回1死三塁で田中賢が左翼線適時二塁打を放ったが、中田、大谷が連続空振り三振。4回も田中賢が無死から出塁したものの、中田、大谷は凡退し、得点につながらなかった。
主軸の結果に差、首位独走の気配も漂う工藤ホークス
ソフトバンクの主軸は、36打数11安打の打率3割0分6厘で11打点を挙げた。かたや、日本ハムの主軸は37打数8安打の打率2割1分6厘で、3打点。田中賢が13打数6安打3打点と1人、気を吐いた格好で、中田、大谷は3連戦で2安打14三振。完全にブレーキとなってしまった。
投手陣で言えば、ソフトバンクは先発した中田賢一、寺原隼人、リック・バンデンハークが3人ともにクオリティースタートを達成。バリオスこそ崩れたが、その後を受けた森福がキッチリとピンチを脱するなど、役割を果たした、
日本ハムは、先発で言えば、第2戦の武田勝が3回7失点と炎上。リリーフ陣でも初戦で守護神・増井がサヨナラ打を浴び、第3戦は左のリリーフエースである宮西が逆転打を食らった。
働くべき人間が働くべきところで働く。最も難しいことを、首位攻防戦でキッチリと出来たソフトバンクに強さの一端が見えた。
2位の日本ハムとは2・5ゲーム差、3位の西武とは3ゲーム差をつけた工藤ホークス。23日からは西武と敵地で3連戦を戦う。オールスターでの中断まで、あと17試合。ソフトバンクが首位を突っ走る気配すら漂ってきている。
フルカウント編集部●文 text by Full-Count
ソフトバンクは強すぎだろう。
日本ハムが食らいついていけるか。
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