◇医療・介護市民が先決/地域担う人材集まれ
有識者でつくる日本創成会議が4日、「医療・介護に余力がある」として、首都圏からの移住先候補に、県内からは和歌山市などを中心とする地域を挙げた。反響を呼んだ「消滅可能性都市」の公表に続く提言で、自治体や高齢者福祉の関係者は今後の動向を注目している。(上田貴夫、田島武文)
和歌山、海南、紀美野の3市町からなる地域は、今回公表された7段階の受け入れレベルで医療面が「6」、介護面が「4」と高い評価を受けた。和歌山市の山田喜道・保険医療部長は「これまで計画的に高齢者施設を整備してきたことが評価された」と好意的に受け止める。ただ、「市民に対するサービス充実を図ることが先決で、移住者を想定した施設整備などは現状では考えられない」と話す。
過疎化を受け、Iターン者誘致に力を入れてきた紀美野町の担当者は「本来は担い手となる若い世代がほしい。交通基盤も不十分な中、要介護者が増えても対応は困難だ」と困惑する。
過疎地域ながら「医療と介護の提供能力の余力がある」と指摘された御坊市周辺地域は、高齢者1000人当たりの特別養護老人ホーム入所者が全国平均の倍近くの28人。同市の田中孝典・健康福祉課長は「高齢者数は5年後にはピークを迎える。その後は定員に空きが出る可能性があり、受け皿にはなりえる」とした上で、「まだ健康なうちに将来に備えて移住し、しばらくは地域づくりに貢献してもらう形が理想」と語る。
自治体が複雑に受け止める一方、県過疎対策課は「人材を集めるチャンス」と歓迎する。高齢者の家族や若い世代も一緒に移住できる施策を打ち出すことを想定し、「医療介護の先進地をアピールできれば、介護職の人材も集まるようになる」と期待する。
高齢者福祉サービスを行う事業者も注目する。
和歌山市田野の敷地約1万平方メートルに、入所・通所施設や診療所を併設する社会福祉法人「わかうら会」。土山徳泰事務長(46)は「人口減が進む地域にとってありがたい話。観光に医療や介護を組み合わせた街の魅力づくりを考えたい」と意気込む。
多くの高齢者をみとってきた診療所の看護師、松本博子さん(66)は「住み慣れた地域から遠く離れれば、寂しい最期を迎えることもある。熟慮の末の移住であってほしい」と話した。
(読売新聞)
地方に、要介護者や高齢者が増えても、医療費が増加し、地方公共団体の財政は逼迫するらしい。高齢者が増えて、長野県の軽井沢が大変というのを耳にしたことがある。
住み慣れた町から、知らない地方へ移住する高齢者は、少ないだろう。
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