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2017年1月9日月曜日

清宮幸太郎はプロか進学か?識者が独自の見解を語った

 高校通算78発を誇る高校球界NO1スラッガーの早実・清宮幸太郎内野手(2年)は今秋ドラフトの超目玉。プロ志望届を提出するか否か、その決断にも注目が集まることになる。清宮はプロに行くべきか、あるいは進学すべきか。今年からスタートする「週刊報知高校野球」の第1回では「対論」と題し、識者4人(うち3人分をWEB掲載)がそれぞれの見解をつづった。あなたはプロ派ですか、それとも進学派ですか。

 【超高校級から0発…大学で技術磨け】「報知高校野球」編集長 日比野哲哉

 清宮は日本球界の宝だ。昨秋、高校2年生でドラフト対象となったとしても1位指名されただろう。そんな逸材だからこそ、高校野球に続いて大学野球も盛り上げてもらいたい。けがさえなければ、高校通算最多とされる山本大貴(神港学園―JR西日本)の107本塁打を超えるのは間違いない。早大に進学すれば、巨人の高橋由伸監督が慶大時代に放った東京六大学リーグ最多の23本塁打を大幅に更新する可能性は十分ある。

 高校からプロ入りしたら、2、3年は表舞台から姿を消すかもしれない。「報知高校野球」16年11月号に清宮の高校通算71号までのリストを掲載した。本塁打を放った投手を見ると、プロ入りした投手は楽天の育成1位・千葉耕太(花巻東)1人だけ。高校トップレベルの投手からは、まだ本塁打していないのだ。プロで守れるのは一塁だけ。パ・リーグなら指名打者があるが、外国人選手を含む中軸打者と争わなければならない。

 東京六大学のエースたちを相手に技術を磨けば、プロ球団がポジションを空けて待つほどの打者になるだろう。高校、大学、プロと表舞台に立ち続け、子供たちに夢を与え、小中学生の野球人口を増やしてほしい。それができる“宝”なのだから。

 【高校70発以上の左はプロで伸び悩む】スポーツ報知 ベースボールアナリスト 蛭間豊章

 清宮にはまずは東京六大学野球の舞台に立ち、1年春から早大の主軸に座って打ちまくり、昔のように神宮球場に超満員のファンを呼んでほしい。アマの国際大会で世界を席巻してからでも、プロ入りは遅くない。

 進学を推すもう一つの理由は、高校通算70本塁打以上でプロ入りした選手のうち、左打者が伸び悩んでいることもある。高校時代とプロ入り後の本塁打数は、


 [本] 選 手 (出  身)プロ
 86大島 裕行(埼 玉 栄) 23
 83鈴木  健(浦和学院) 189
 78清宮幸太郎(早  実) ★
 74伊奈 龍哉(近  江) 0
 71大野 貴洋(所 沢 商) 0
 71高橋 周平(東海大甲府) 21


 西武などで189本塁打を放った鈴木がただ一人の及第点。その点、高校通算70発以上でプロ入りした右打者は7人いるが、


 87中田  翔(大阪桐蔭) 161
 83中村 剛也(大阪桐蔭) 330
 70城島 健司(別府大付) 244
 70平田 良介(大阪桐蔭) 78


 と4人がスターになっている点も興味深い。

 近年では筒香嘉智(DeNA)、かつては松井秀喜(元巨人)らが左のスラッガーとして大成したが、2人は高校時代60本台だった。プロ入り当初は左投手が登板した際には外されるケースが多いため、一流になるまでに時間がかかっている。プロ入り即、常時出場するには大卒が一番。早大進学を勧めたい。

 【自分以上の存在がいる世界で学べ】流しのブルペンキャッチャー 安倍昌彦

 清宮幸太郎はプロに進んでほしい。ただし、少々条件付きだ。

 一見すばらしく見える彼の打撃だが、唯一支配できていないのが<間>、つまりタイミング。高校生レベルの投手相手なら抜群のスイングスピードと卓越したバットコントロールで圧倒して、それで済んでしまっているが、相手が<超高校級>になると、昨秋の東京大会決勝で日大三・桜井の140キロ前後の速球とプロ並みの鋭さのスライダーに5三振を喫したように、<間>がとれていないことが露呈する。

 <間>とは本来、天性のもので、人が教えて会得できるものでないと考えるが、<怪物・清宮>に限って、同系の怪物仲間の打撃を間近に観察することによって、最大の難関である<間>を支配できると信じる。

 よって、進むべきは大谷翔平の日本ハム、筒香嘉智のDeNA、吉田正尚のオリックス、山田哲人のヤクルトの4球団。あのパワーとバットコントロールに、ゆったり呼び込んで乗せて運ぶタイミングが加われば、文字通り<無敵>のスラッガーが誕生するだろう。一方、進学したらどうか。今の状況なら、大学1年春からいきなり学生NO1打者だろう。自分以上の存在のいる世界でのみ、人は成長できるのではないだろうか。

 ◆「報知高校野球」とは? 1978年に創刊され、今年で39年を迎える高校野球専門誌。偶数月発売(奇数月号)。春夏の甲子園大会を始め、各地区大会の詳細データや注目選手の特集などが掲載され、高校野球ファンのバイブル的存在。球児にとって同誌に取り上げられることは一種のステータスになっており、数多くのプロ選手が誌面からスターへと旅立っていった。次号の3月号は2月6日発売予定で、センバツ出場32校の大特集。キャッチコピーは「白球と青春を語るマガジン」。
(スポーツ報知)

 確かに一流の投手を打てていないことが気になる。

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