部員数はここ数年、20~40人台を維持してきたが、昨夏からの新チームは1、2年生合わせて10人だけ。「接戦を我慢強く戦うのは難しい」と考えた小山健人監督(30)が目指したのは、打ち勝つ野球だ。
練習時間は平日約2時間、土日は4~5時間。打撃投手2人と、打撃マシン1台を相手にとにかくバットを振った。人数が減ったこともあり、1人当たりの打ち込みの数は以前の30~40球から200球以上に。昨秋の県大会で早速成果が表れ、同じくセンバツ出場を決めた盛岡大付属高校に完封負けした決勝を除けば、4試合で計26得点をたたき出した。
守備練習も制約がある。ノックを後逸すれば、球拾いに走るのは自分。選手たちは「練習効率を落とさないため、集中力を高めて一球もおろそかにしない」と口をそろえる。
試合では、守備につく捕手の防具装着を監督や部長が手伝うなどベンチぐるみで文字通りの全員野球を実践する。小山監督は「みんなが試合に関わるので、選手一人一人が自覚と責任感を持っている。どのチームと当たっても失うものはない。やるしかないという気持ちだ」と話した。
日本高校野球連盟によると、10人での出場は87年センバツの和歌山県立大成高校(現海南高校大成校舎)の例がある。
「10人だけだから弱いとか勝てないと思ったことは一度もない」と言い切る小比類巻圭汰主将(2年)。「出場するからには強いところと対戦したい」と拳を握った。【小鍜冶孝志、佐藤慶】
(毎日新聞)
勝ちあがれるだろうか。
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