「いよいよ始まるという気持ち。アリゾナからしっかり調整していきたい。まずはWBCがあるので、そこを目標に頑張りたい」。その胸は自然と高ぶった。
2年連続のアリゾナキャンプだが、今年はWBCへの予行演習の場となる。東京での1次、2次ラウンドを突破すれば、準決勝、決勝の舞台となるのは、ロサンゼルスのドジャースタジアム。同じ米西部に位置するアリゾナは気候も似ている。「アリゾナは乾燥が凄い。WBCのボールを使えば、良い練習になると思う」。ただでさえNPB球より滑りやすいとされるWBC球。日本では自主トレから使用しているが、WBC本番を前に米国でテストできるのは大きなメリットとなる。
大谷は3月7日のキューバとの開幕戦(東京ドーム)での先発が内定しており、その後は2次ラウンド、そして22日(日本時間23日)の決勝戦へ。その目はもう世界一を捉えている。
このオフ、栗山監督は大谷の蓄積疲労を懸念し、スロー調整を指示した。他のWBC組がピッチを上げる中、大谷だけはじっくりと調整。初ブルペンも1月20日で新人だった13年に次ぐ遅さだった。その13年以外は全て2月1日のキャンプイン当日にブルペン入りしたが、今年は「まだ吉井さん(投手コーチ)とも話していないので分からない」。チームの初実戦は2月8日(同9日)だが、大谷の出場について栗山監督は「無理をさせる必要はない」と話しており、アリゾナでも焦らず、「3・7」へ向けて仕上げていく。
世界一を目指し、その先には日本一連覇を見据える。栗山監督は「年々、求めることは上がっている。“一つも負けるな”と言いたい」と無敗指令を課した。大谷は「結果的に勝てれば一番いい。自分がしっかりできればいい」と呼応した。日本ラストイヤーの可能性もある2017年。今年もアリゾナから大谷伝説が幕を開ける。(柳原 直之)
▽アリゾナ州ピオリア(Peoria) 州都フェニックスの北西部 に位置し、面積は約461平方キロ。人口は約17万1000人(15年)。フェニックスのベッドタウンとして発展を遂げた。2月の最高気温は平均22度だが、砂漠地帯のため平均の最低気温は7度と冷え込む。
(スポニチアネックス)
いよいよキャンプが始まる。
今年の大谷伝説は何を見せてくれるだろうか。
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