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2017年1月24日火曜日

稀勢の里、綱の自覚「責任ある地位。負けたら終わり」先代師匠目標に

 和製横綱が国技のけん引者となる。日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)は23日、東京・両国国技館で会議を開き、初場所で初優勝を果たした大関・稀勢の里(30=田子ノ浦部屋)を全会一致で横綱に推薦した。日本出身の新横綱誕生は98年の3代目若乃花以来、19年ぶり。相撲協会は25日午前に春場所番付編成会議後の臨時理事会で正式に昇進を決定し、伝達式が行われる。第72代横綱となる稀勢の里は角界全体を引っ張っていく覚悟を示した。

 武骨な男は最高位に就くことが決まっても、ほとんど笑顔は見せなかった。横綱に推薦されることが決まってから開かれたこの日夕方の会見。稀勢の里は強い気持ちを口にした。

 「尊敬されるような力士になっていきたいし、そのためにはもっと努力しなければいけない。稽古場もそうだし、立ち居振る舞いや生き方も見られている。若い力士の模範になるようにやっていきたい」

 昭和以降、大関在位31場所からの昇進は3位のスロー記録。新入幕から所要73場所は最も遅い。これまでは初優勝を目指して自らが強くなることを最優先に求めてきたが、この日は早くも綱の責任をのぞかせた。

 30歳6カ月での昇進。これは先代師匠である元横綱・隆の里の元鳴戸親方の30歳9カ月に次いで7位の“遅咲き”となる。だが、初土俵からの休場がわずか1日の男は「体も元気だし、心も元気。まだまだ強くなると思っている。ここからがスタート」と捉えている。隆の里に肩を並べたことについて聞かれると「優勝回数も違う。少しでも一歩一歩近づけるように努力したい」と優勝4回の横綱に追いつくことを目標にした。

 横綱は常に優勝争いが期待される。稀勢の里の昇進に伴い、角界は00年春場所以来の4横綱時代を迎える。大関時代と変わらず、いずれもモンゴル出身の3横綱が立ちはだかるが、「しっかり星数を上げていかないと」と和製横綱として闘志を燃やした。

 手応えは感じている。この日午前には、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で行われた一夜明け会見に臨み、激闘の初場所を振り返った。土俵際で粘って逆転勝ちした千秋楽の白鵬戦は「いい状態で花道に入れて、土俵に入れた。気分的にいい状態で相撲が取れた」と明かした。これまで、幾度となく阻まれてきた初優勝の夢。それをクリアしたことで、勝負弱いと言われ続けた面影はなくなった。

 「責任のある地位だと思うし、負けたら終わり」。私生活も全て相撲のために注ぎ、稀勢の里時代をつくり上げる。 

 ▼最近の4横綱 武蔵丸が昇進した99年名古屋場所から、曙、貴乃花、3代目若乃花の4人となった。若乃花が引退した00年春場所まで5場所続いた。その間の横綱の優勝は武蔵丸の2回だけだった。
(スポニチアネックス)

 高齢で何年持つか。

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