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東京五輪に出場している日本選手に対し、会員制交流サイト(SNS)上での誹謗(ひぼう)中傷が深刻化している。体操男子個人総合で金メダルを獲得した橋本大輝(19)や同女子個人総合5位の村上茉愛(24)らが被害を訴え、丸川珠代五輪相や国際オリンピック委員会(IOC)が30日、中傷を止めるよう呼び掛ける事態に発展した。 ネットでのいわれのない誹謗中傷。匿名性の陰に隠れる卑劣な行為が、東京五輪を〝舞台〟に広がっている。 「(体操は)主観的ではなく、客観的な採点で評価されます。国の代表として努力してきたアスリートを認め、称賛する人が増え、誹謗中傷とみられる行為が少なくなることを願っています」 28日の体操男子個人総合で金メダルの快挙を成し遂げた橋本は29日、自身のインスタグラムにこう書き込んだ。中国選手が僅差の2位だったが、決勝で橋本の跳馬の得点が不正に高かったなどとして、主に中国語で「盗んだ金メダル」などと〝暴言〟が書き込まれるようになった。 29日の同女子個人総合で5位だった村上も、演技後の会見で「見たくなくても嫌なコメントを(インスタグラムで)見てしまい、すごく残念だなと悲しかった」。具体的な被害内容は明かさなかったが、涙を流すほどだった。 伊藤美誠(20)と組んで卓球混合ダブルス決勝で中国ペアを破り金メダルに輝いた水谷隼(32)は、〝逆襲〟に出た。28日にツイッターで、「とある国から」として「くたばれ」などとダイレクトメッセージが大量にあったと公表。「免疫ありすぎる俺の心には1ミリもダメージない」などと書き込んだ。 他にも、サーフィン男子で銀メダルの五十嵐カノア(23)にはポルトガル語の中傷コメントが。準決勝でブラジル選手を破っていた。国内からとみられる中傷の書き込みも多い。競泳男子の400メートル個人メドレーで予選落ちした瀬戸大也(27)、テニス女子シングルスの3回戦で敗退した大坂なおみ(23)らがターゲットになっていた。 丸川五輪相はこの日の会見で「差別的な書き込みや中傷はあってはならない」。IOC幹部も会見で「(悪質な書き込みなど)荒らしや攻撃は許されない」と強調した。心ない書き込みが、大舞台で奮闘する選手たちの心を傷つけている。
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誹謗中傷は、言葉の暴力、名誉棄損などで、犯罪として取り締まるべきでしょう。