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菅義偉首相が3日、自民党総裁選に立候補しない考えを表明したのは就任以降、主要選挙に負け続けたためだ。衆院選を前に「菅首相では選挙を戦えない」という党内の声に抗しきれなかった。 最初の関門は、菅政権発足後初の国政選挙となった4月の衆参3選挙だった。参院広島選挙区再選挙、参院長野選挙区補選、衆院北海道2区補選だ。広島再選挙は、公職選挙法違反で有罪が確定した河井案里元参院議員(自民を離党)の当選無効に伴い行われ、北海道2区補選は、収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛元農相(自民を離党)の辞職に伴うもの。3選挙のうち二つは、自民議員の「政治とカネ」が起因する選挙で最初から劣勢だった。自民は北海道2区補選では候補擁立を見送り不戦敗を選択した。結局、広島再選挙、長野補選でいずれも敗北し、政権は大きな打撃を受けた。河井氏の公選法違反事件では、自民党本部から河井氏陣営に1億5000万円の選挙資金が提供されたが、巨額買収につながった疑念は払拭(ふっしょく)されておらず、疑念が残ったままで説明が果たされていないことも、ダメージとなった。 7月の東京都議選でも、自民党は事実上の敗北で、党の不人気ぶりを露呈した。無党派層の割合が高く、世論の風向きを反映しやすい首都の選挙のため、国政選挙の「先行指標」とされてきた。菅政権は、都議選で自民党の議席を大幅に回復させて、衆院選につなげようとしたが、逆に大きな不安を残した。 2017年の前回選で23議席と歴史的大敗を喫したため大幅な議席回復を目指しており、当初は50議席を超えるとの甘い見立てもあった。しかし、小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」が後退しつつも31議席を獲得したことで、伸び悩んだ。 首相が「選挙の顔にならない」との印象が一層強まったのがこの選挙だった。新型コロナウイルス対策を最優先する姿勢を示したとはいえ、首相が公の場で選挙応援のマイクを握ったのは、党本部前での出陣式のみ。各候補から応援の要請があったのは、河野太郎行政改革担当相や小泉進次郎環境相ら閣僚が中心で、首相周辺からは「首相が街頭に入っても、人気がなくて人が集まらないかもしれない」との声が漏れていた。選挙に強くない若手議員は、情勢の悪化にあせり始めた。 最後にとどめを刺されたのが、8月の横浜市長選での敗北だった。首相は横浜市議を務め「影の市長」と呼ばれたほど市政に影響力を持ち、側近だった小此木八郎・前国家公安委員長を全面支援したが、立憲民主党が推薦した候補に敗れる事態となった。陣営からは「首相が応援に入ったから情勢が悪化した」との指摘もあるなど、自身の関与が完全に裏目に出た。 1月の山形県知事選、3月の千葉県知事選、6月の静岡県知事選でも自民系候補が落選するなど、地方選挙で負けるケースも多かった。 衆院選は、小選挙区制導入以降、党首の人気が選挙戦を大きく左右することが多い。選挙に弱いとのイメージが定着し、首相は求心力を低下させていた。
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株価も値上げで、立候補しないのは歓迎ムードでしょう。
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