太平洋のクロマグロ(本まぐろ)が絶滅危惧種となる中で、すしや刺し身など日本の食文化の救世主となるか――。イオンは5日から“完全養殖”のクロマグロを、プライベートブランド(PB)として全国で販売する。
発売されたのは、鹿児島県・奄美大島産の「トップバリュ グリーンアイ 奄美うまれ生本まぐろ」。同社の「イオン」「マックスバリュ」など約2000店舗で取り扱い、今年度は3500尾の販売を予定している。親魚も養殖である“完全養殖”のマグロを、全国規模で販売するケースは今までになかったという。
通常の養殖は、捕獲した天然の稚魚を育てるか、もしくは天然の親から人工ふ化で生まれた魚を成長させて、出荷していた。完全養殖は、3世代以上にわたって人間の手によって育てることで、天然資源に頼らない養殖のサイクルを続けていくことが可能になる。
イオンでは、大きな環境負荷をかけずに養殖で育てられた水産物に与えられるASC(水産養殖管理協議会)認証を、サーモンなどの商品で取得している。マグロでも認証を目指しており、持続可能な水産物の調達を進めていくとしている。
イオンリテールの土谷美津子取締役は、クロマグロの減少により漁獲量が制限されている現状を踏まえて、「日本のソウルフードともいえるマグロを、次世代を担う子どもたちにも引き継ぐことが大切だと考えた。東京五輪でも各国の人々に味わっていただければ」と話す。
気になる味だが、事前に築地市場の関係者を招いておこなった試食会では「脂が乗っているのに爽やか」「赤身もしっかりしている」と好評だったという。税込み価格は100グラム当たり、大トロで1922~2138円、赤身で861~1274円。
4日にイオン葛西店(東京都江戸川区)で開かれた商品発売イベントでは、マグロの解体ショーをおこなったほか、先着順で買い物客に握りずしを振る舞った。試食した人々は「まろやかでおいしい」「値段次第では、天然のものよりこちらを選びます」と話していた。
(朝日新聞デジタル)
安くはないけど、完全養殖はすごい。
0 件のコメント:
コメントを投稿