マイナンバー活用によるメリットは、行政事務の効率化、社会保障給付の適正化、税金逃れのチェックなど多岐にわたるが、それは裏返せば、個人情報保護の点では懸念材料。多くの個人情報にひも付けされた番号は、情報が流出して悪用されれば広範な被害に結びつく可能性がある。
このため政官民が総出でセキュリティー対策に取り組んでいる。総務省は昨夏、自治体システムで強力なセキュリティー対策を実施するためのマニュアルを公表。呼応する形で民間の関連企業がウイルス検知機能を提供し、外部からのサイバー攻撃に備える。ただ、こうした対策も万能ではない。今回の事件では、日本年金機構の情報管理のずさんさも原因の一端だが、堅牢なセキュリティーシステムを構築しても、情報を盗もうとするサイバー攻撃から常に安全とは言い切れない。
国民に対する不安にも配慮し、政府は18年から予定される預金口座への適用では当面、預金者から銀行への申告は任意となるなど、適用範囲の拡大には慎重を期す構えだ。ただ、所得や資産を正確に把握できるマイナンバーは財政健全化の切り札との一面もあり、21年をめどに、銀行申告の義務化も検討する考え。塩崎恭久厚生労働相は1日の会見で、マイナンバーにおける影響について「軽々な判断はできない」と明言を避けた。ただ、内閣府は1日、府省庁にマイナンバーの情報システムを総点検するとともに、個人情報の管理徹底を指示。今後の制度設計に波紋を投げかけた。
(SankeiBiz)
通常は、国の機関は、専用端末で個人情報などを管理し、データが暗号化され、インターネットに繋がっていないから、情報流出は、ほとんどない。
日本年金機構の個人情報管理は、あまりにいい加減で、ずさんであり、同様にマイナンバー制度の情報が流出する可能性は限りなく低いが、さらに改善が進むだろう。
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