あの美味をもう一度―。中田は懐かしの味を求めて、フルスイングした。両軍無得点の4回1死二塁。左腕・ポレダの149キロ直球を滞空時間の長い一撃へ変えた。決勝の19号2ラン。7試合ぶりの一発は西武・中村を頭一つリードした単独キング弾だった。「シーズンはこれから。おかわりさん(中村)がジリジリ来てますけど、意識せずにやりたい」と豪快に笑い飛ばした。
大好物の「復活」に奮い立った。この日の試合前。8日に関東地区で発売が再開された、まるか食品の「ペヤングソースやきそば」をプレゼントされた。今季の体重は昨オフから10キロ以上絞って93キロ。「今日あたりから体を絞ろうと考えてたのに…」。今もサラダ、鶏のささみなどで高たんぱく低カロリーの食生活を送るが、半年ぶりの再会に心が躍ったようだ。
何を隠そう、中田は「カップ焼きそば」のヘビーな愛好家だ。道内で放送されている「日清 北の焼そば」のCMに登場するほど。ペヤングはプロ入り前から慣れ親しんだ味だという。それだけに「北の焼そば」が売っていない道外遠征中は、「まだペヤングは売ってへんか…」と寂しそうだった。
6月は試合前までノーアーチ。ペヤングで言えば、「だばぁ」(湯切り時に麺を落下させてしまう事故)が多かった状態だった。その打撃を、安全製法で見事に再起動させた。
頼ったのは稲葉SCOだ。師匠からは、打撃時にテイクバックが十分に取れてないことを指摘された。「『ちょっと、やばいです』と相談しました。(テイクバックを)意識したら本塁打。稲葉さんに褒めてもらいたいです」。5回2死一、三塁では左前適時打。トップの西武・中村に2差と迫る56打点とした。
チームの巨人戦連敗も6でストップ。「勝てたのは良かった。これから勢いづいていける」。不動の人気を誇るペヤングと同じように、中田のバットも完全復活した。(小谷 真弥)
(スポーツ報知)
0 件のコメント:
コメントを投稿