国際サッカー連盟(FIFA)のゼップ・ブラッター会長が2日に辞意を表明したことで、ロシアとカタールは最強の支持者を失った。次回2018年のワールドカップ(W杯)はロシアでの、22年大会はカタールでの開催がそれぞれ決まっているが、予定通り実施されるかについて疑問が強まっている。
FIFAに対しては18年、22年両大会の開催地選考をやり直すか、あるいは両国に決まった経緯について透明性の高い調査を求める声が一段と強まりそうだ。
FIFAは10年の理事会でロシアとカタールでの開催を同時に決定した。これは複数の国に同時にW杯開催権が与えられる初めてのケースとなった。
スポーツやエンターテインメント関連のマーケティング事業を手がける米レバレッジエージェンシーのベン・スターナー最高経営責任者(CEO)は「ブラッター氏とカタールは共同歩調を取っていた」と指摘した。一方、18年大会まで3年しかないため、ロシアの権利がはく奪される可能性は低いと述べた。
スターナー氏はまた、ブラッター氏の辞任について「さらなる捜査の前触れだ」と話した。
エジプト・サッカー協会の広報担当者は、ブラッター氏の辞任でカタールが22年大会を主催する可能性が「劇的に縮小した」と指摘。「不正は詳細まですべて明らかにされ、より広範囲な捜査が行われるだろう」と述べた。
カタールは開催地選考でFIFA関係者に賄賂を渡したとの疑惑が、繰り返し持ち上がっていた。
カタールの組織委員会は昨年、同国の元FIFA理事であるモハメド・ビン・ハマム氏がW杯を誘致するため賄賂を支払ったとする、英紙サンデー・タイムズの報道を否定した。
ロシアの当局者は、一連の捜査が18年大会に影響を与えないことを確信していると述べた。すでに数十億ドルがスタジアムなどの建設に投入されている。
カタールは現在、W杯開催予定地のインフラ整備に2000億ドル(約24兆7900億円)を投入している最中だ。
クレディ・スイスは昨年、カタールのW杯開催権がはく奪されれば同国の株式相場が20%急落する可能性があると警告。一方、バンクオブアメリカ・メリルリンチは潜在的な損失額が約160億ドルに達すると試算していた。
(ウォール・ストリート・ジャーナル)
ここまで来ると、ロシアとカタールは予定通りに実施し、以降は、クリーンな選考方法により決めるしかないのだろう。
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