投手と打者との「二刀流」が今季で4年目を迎えた日本ハムの大谷翔平選手(21)。開幕から1カ月が経過し、打者と投手としての成績にここまで明暗が分かれている。打者としては3本塁打をマークするなど、指名打者として結果を残す一方、投手では打線の援護に恵まれず、0勝2敗と今季初勝利が遠い。二刀流4年目の今季、ここまで「打高投低」が続く現状について背景を探った。(成績は投手、打者ともに4月28日現在)
■長打率はトップレベル
昨季は打率.202と「打者」として結果を残すことができなかった大谷。雪辱を期す今季は、打者として好調な滑り出しを見せている。
4月19日の西武戦(札幌ドーム)では今季初の3安打をマークするなど、打率.300、3本塁打。特に長打率はここまで.600とハイレベルな数字を残しており、中村(西武)や柳田(ソフトバンク)といったパ・リーグを代表する強打者と比べても遜色のない数字だ。
あるパ・リーグ球団のスコアラーは「昨年に比べてパワーが増した」と、昨オフに取り組んだ肉体改造の影響を指摘する。
ただし、打者として出場することは、故障のリスクとも表裏一体だ。4月6日の西武戦(西武プリンス)で指名打者として出場した大谷は、走塁の際に両足首をひねり、途中交代を余儀なくされた。結局、大事には至らなかったものの、先発登板日が当初の予定よりずれるなど、「投手・大谷」に影響が出てしまう事態となった。
■気になる与四死球率
一方、昨季は15勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得し、エースとしての成長を見せた大谷だが、今季は「投手」としては白星に恵まれない日々が続いている。
開幕戦の3月25日のロッテ戦では、7回3失点で降板し、今季初黒星。その後も3点以内に抑えながら打線の援護に恵まれない登板が続いており、防御率が2.27であるのとは対照的に白星からは見放されている。
こうした現状に栗山監督も「開幕投手を務めた人間が勝ち星を重ねる計算がしっかりできないと、チームの結果として出てきてしまう」と危機感を募らせる。
今季5度目の先発となった4月24日のソフトバンク戦(ヤフオク)では、右手にできたマメの影響で七回途中で降板するなど、不運も重なった。しかし、今季の「投手・大谷」には気になる数字もある。それが、与四死球率の高さだ。
昨季の与四死球率は1試合あたり2.23個だったが、今季はここまで1試合あたり3.6個と悪化。開幕から1カ月の数字とはいえ、制球では不安を抱えている。前述のスコアラーは「ペース配分を考えているのか、状況によっては全力ではなく、余力を残して投げている投球が目立つ。そのことが結果に反映しているかは分からないが、昨年までと違う点はそこだろう」と分析する。
それでも、大谷本人に焦りの色は見られない。
「すごく悪い試合が続いているわけでもないし、悪いなりに抑えることもあった」と前を向く。周囲からは前人未到の「20勝&20本塁打」を期待する声もある中、二刀流4年目の今季は、果たしてどのような結末が待っているのか-。
(産経新聞)
やはり、二刀流は怪我のリスクが高く、どちらも中途半端に終わる危険もある。
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