7度のワールドチャンピオンであるロッシは、2002年から2008年にかけてムジェロでは負け知らずだったが、2009年以降は優勝から遠ざかっている。しかし、先週末のロッシは予選で8年ぶりにポールポジションを獲得。久々の優勝が大いに期待されていた。
決勝では、スタートこそホルヘ・ロレンソに先行を許したものの、9周目にチームメイトを捉え、テール・トゥー・ノーズへと持ち込んだ。
しかし、直後にロッシのマシンはスローダウンすると、そのまま白煙を上げエンジンブロー。リタイアを余儀なくされた。
「なんて言えばいいだろう。とても複雑な心境だ」とロッシは当時の状況を振り返った。
「本当に残念だ。レース中に技術的なトラブルが起きる際は、いつもこういった気分になる」
「今回は特にひどいよ。ここはムジェロで、多くのファンが詰めかけていたし、今週末は高いパフォーマンスを発揮していた。特にレースではマシンのフィーリングも最高で、僕は文字通り最速だった」
「今回はムジェロで勝利することができると確信していた。ここで勝つことは目標なんてものじゃない。夢にまでみてきたものだったんだよ」
またロッシは、トラブル発生前にロレンソの背後に迫った時に、優勝できると確信したことも明らかにした。
「今日はセッティングが決まっていて、本当にいい手応えだった」
「レースでもいいペースを刻むことができていて、ホルヘ(・ロレンソ)の後ろについた時も自分のほうがペースが良いと感じていたよ。勝負を仕掛けることができたと思うし、自分のレースができたとも感じている」
決勝当日、ヤマハのマシンは2台ともエンジントラブルに悩まされていた。ロレンソのマシンは朝のウォームアップ走行中にトラブルが発生し、ロッシもエンジンブローが起きる3周前に違和感を感じたと述べている。
また、ウォームアップと決勝レースの間隔が短く、ロッシはロレンソに起きたトラブルが自身のマシンにも起きる可能性があるかどうか分からなかったと説明している。
「正直、今回の問題には困惑している。僕のエンジンはホルヘのものより走行距離が短かったんだ」
「それに(決勝レースまでに)彼のエンジンを分解して、原因を突き止めるには時間が足りなかった。だから、エンジン交換をせずに挑んだわけだけど、結果的に不幸に見舞われてしまった」
現在チームはエンジントラブルの原因究明を進めている。
[オートスポーツweb ]
母国グランプリで、エンジントラブルは不運。
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