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新型コロナウイルス禍を受けた観光支援策「Go To トラベル」をめぐり、焦点となっていた東京都の扱いは、政府と都のトップ会談により、ひとまず高齢者らに利用自粛を要請することで落ち着いた。限定的な自粛要請で経済効果へのマイナス影響を小規模にとどめる狙いだが、感染拡大を防ぐ観点からは疑問符もつく。政府と都が互いに責任を押し付け合うような構図も垣間見える。 仮に国の人口の一割強を擁する東京都を事業から除外した場合、すでに利用制限を課した札幌、大阪両市を大きくしのぐ規模で事業の経済効果が損なわれ、キャンセルなど現場の大混乱も避けられない。 決断を避けたい思いは政府と都に共通している。一方で、感染拡大に伴い事業への風当たりが強まる中、無策でもいられない。そこで限定的な自粛要請が落としどころとなったが、両者の思惑はすれ違う。 「私どもの方は停止ということで要請をした。いろいろ考え、その中で自粛という結論に至っている」 小池百合子知事は会談後、都庁で記者団にこう明かし、「国の事業だ」とも繰り返した。都が新たな新型コロナ対策を打ち出した11月25日には、感染拡大地域を出発地とする事業も止める必要があるとの認識も示している。小池氏としては、今回、より踏み込んだ措置を求めたと強調することで、「対策が不十分だ」という批判の矛先をかわしたい思いも透ける。 菅義偉首相も会談後、記者団の取材に応じたが、そっけなさが際立った。自粛要請については「東京都の対応として理解できる」と述べ、言外に都の判断だと示唆。札幌、大阪両市に制限を課したときのように、自ら協力を呼び掛けることもしなかった。首相は事業が地方経済を下支えしていることに自信を持っており、規模縮小はなるべく避けたいという強い思いがにじむ。 しかし、官邸幹部が「高齢者や基礎疾患のある人はもともと気を付けているのではないか」と語るように、限定的な自粛要請では実効性は見通せない。利用にあたり、年齢や基礎疾患の有無を確認するにも限界がある。今後の感染状況次第では、新たな対応を迫られる可能性がある。
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どちらも責任を取らない自粛要請に呆れる。
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