プロボクシングWBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(28=大橋)の4団体統一構想が軌道修正を迫られることになった。WBC王者ノニト・ドネア(38=フィリピン)が29日、自身のSNSで8月14日に予定されていたWBO王者ジョンリール・カシメロ(32=同)との対戦をキャンセルしたと表明。勝者と井上が4団体統一戦を行う計画も白紙に戻り、年内の野望実現は難しい状況となった。
ドネア、カシメロ両陣営が2団体統一戦を発表したのは、井上がラスベガスでダスマリナスに3回KO勝ちして防衛に成功した6月19日。一気に高まった4団体統一戦への機運は、わずか10日で一変した。
ドネアは自身のSNSに声明文を掲載し、カシメロ戦のキャンセルを表明。ドネア側が求めた、格闘技のドーピング防止機関「VADA」検査を、カシメロ陣営が拒む姿勢を示し、さらにドネアの家族を中傷したことなどを理由に挙げた。米専門メディア「ボクシングシーン」によると、カシメロは24日にVADAに書類提出したものの、ドネアは「書類提出が5日間遅れたため、この戦いをキャンセルした」と明かし、「相手側が正直でも前向きでもなかった証拠も持っている」と主張した。
この報道に井上もすぐさま反応。自身のSNSに「カシメロ君はもう大口を叩く事はないでしょう。ドーピング検査を回避する奴(やつ)に資格などねぇ」と投稿し、カシメロを痛烈に批判した。
ドネアVSカシメロが消滅し、勝者と井上が対戦する計画も白紙。早ければ年内にも実現可能だった4団体統一戦は難しい状況となった。ただ、カシメロは当初、8月14日に対戦予定だったリゴンドー戦が再浮上しているものの、井上との対戦には意欲的でドネアも井上との再戦に前向き。「一本ずつ取りにいくか。まだバンタム級でもやれそうだしちょうどいい」ともつづった井上。4団体統一への道は自らの拳で切り開いていくつもりだ。
▽VADA Voluntary Anti―Doping Associationの略。ボクシングと総合格闘技における効果的なアンチドーピングの実践、プログラムを提供し、促進する組織。登録した選手は予定されている試合前8週間に抜き打ちの検査を受けなければならず、また毎日の所在を通知する義務もある。登録することでクリーンスポーツへの取り組みを示すことができる。
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ドネアに勝てないから、ドーピング検査を受けないのだろう。
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