自民党総裁選をめぐり、安倍晋三前首相が高市早苗前総務相(60)の出馬を支援する背景には、岸田文雄前政調会長(64)をけん制する狙いもあるとみられる。
岸田氏が、安倍政権で強い批判を浴びた森友学園問題などについて説明の必要性を訴え、安倍氏は再燃を警戒しているためだ。
「国民が納得するまで説明を続けることが政府の姿勢として大事だ」。岸田氏は2日夜のBS―TBS番組で、森友問題についてこう強調。党本部から河井克行元法相夫妻側へ支出した1億5000万円や「桜を見る会」など、安倍政権で相次いだ「政治とカネ」の問題に関しても、同様の考えを示した。
退陣する菅義偉首相(党総裁)が新型コロナウイルス対応などの「説明不足」と厳しく批判されたことを踏まえ、岸田氏は総裁選で、国民に説明する姿勢をアピールしている。課題の党員票を掘り起こす思惑からだ。特に、政治とカネの問題は、河井夫妻の選挙買収事件を受け、地元広島で陣頭指揮を執った4月の参院選挙区再選挙で惨敗したことも影響しているようだ。
これに対し、安倍氏は4日までに、出身派閥・細田派幹部へ高市氏の推薦人確保に協力する考えを伝えた。高市氏は政治信条が近く、政調会長など要職に起用してきた。支援は保守勢力へのアピールになる。安倍氏は、岸田氏が夫婦別姓推進派の議員連盟の呼び掛け人に名を連ねたことにも不満を漏らしていた。
安倍氏は衆院選後にも細田派へ復帰し、「キングメーカー」として党内に影響力を発揮したい考えとされる。森友問題が再燃すれば障害となりかねず、細田派中堅は「岸田氏への十分なけん制になる」と指摘した。
ただ、高市氏の当選は見通せない。一方、安倍氏は以前、初当選同期の岸田氏を「ポスト安倍」の有力候補とみていた。このため、高市氏支持で細田派の一部をまとめ、岸田氏が「勝ち馬」と見れば支援に転じる可能性もある。
岸田氏にとってはジレンマだ。主張を曲げれば安倍氏の支援を期待できるかもしれないが、党員票が離れかねない。岸田派関係者は「撤回というわけにはいかないが、今後は言い方を考える必要がある」と語った。
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もりかけさくらの安倍はもう結構。キングメーカーとして影響力を発揮であれば、変わらない自民党は支持しない。
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