自民党の石破茂・元幹事長を巡り、党総裁選(17日告示、29日投開票)への不出馬論が浮上しているのは、河野行政・規制改革相が出馬の意向を固めたことで、石破氏が強みとする党員票の優勢が崩れたことが大きい。石破派内でも出馬に向けた機運は盛り上がっていない。
石破派の若手議員は6日、周囲にこう不安を漏らした。
石破氏はこれまで地方人気に活路を見いだしてきた。2012年の総裁選では党員票の過半数を獲得。決選投票で安倍前首相に敗れたが、その後の党人事で幹事長に起用された。安倍氏と一騎打ちになった18年の総裁選では党員票の45%、前回総裁選でも都道府県連代表に各3票を割り当てた地方票の30%を獲得した。
ただ、読売新聞社が4~5日に行った緊急全国世論調査では、河野氏が次期首相にふさわしい候補としてトップの23%で、石破氏に2ポイントの差をつけた。自民支持層に限ると、差は9ポイントに広がった。
石破氏は、2008年の総裁選に初挑戦して以来、国会議員票の獲得に苦戦し、これまで4回敗退している。前回総裁選では、岸田文雄・前政調会長にも敗れて最下位に沈み、派閥会長の辞任に追い込まれた。党員票で圧倒しなければ、総裁選での苦戦は避けられない。派内からは「もはや『参加賞』では許されない」(閣僚経験者)との声が上がる。
石破派(17人)は、総裁選出馬に必要な20人の推薦人を所属議員だけで用意できない。しかし、派内からは平将明衆院議員らが「河野支持」に回る見通しで、派閥の一致結束さえ難しい状況だ。
二階幹事長が率いる二階派の一部が石破氏の出馬に向け、支援の動きを見せていることも、かえって石破派内の反発を招いている。
派内の中堅議員は「二階派の力を借りれば、『時代遅れ』のレッテルを貼られかねない」と懸念をあらわにし、「今回は同じ改革路線である河野氏に乗って次期政権内でポストを確保し、次のチャンスを待つべきだ」と語った。
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党員票が見込めなければ、待ちでしょう。
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