10月26日、秋篠宮家の長女・眞子さんが、小室圭さんとの婚姻届を出して皇籍を離脱した。慶賀だというのに、2人の結婚がYahoo!ニュースにアップされると、批判や中傷などが殺到してコメント欄が閉鎖されたという。なんとしてでも2人の結婚を認めたくないという連中が書き込んだようだ。たとえば、眞子さんが記者会見での質疑応答を断ったことに関しても、批判、誹謗中傷が飛び交った。皇室は税金で維持されているのだから、メディアの質問に答えるのは当然という思い込みがあるのだろう。
仮にそうだとしても、すでにこの時点で眞子さんは一般人である。嫌な質問には答えたくない選択肢があるのは当然で、そのことすら気づかなかったようだ。
昨年、ある宮内庁関係者が「ご自分について書かれた記事を眞子さまがネットで見るようになって落ち込んでいるようです」と語っていた。小室家の「金銭トラブル」など記事の内容も衝撃的すぎたのだろうが、それ以上にヘイトも同然のコメントが加わって眞子さんの「複雑性PTSD」につながった可能性もある。
新聞社のアンケートによると、毎日新聞が9月18日に行ったアンケートでは、2人の結婚を「祝福したい」が38%で「祝福できない」は35%だった。ところが翌10月5日の読売新聞では、結婚をよかったと「思う」が53%、「思わない」が33%だった。結婚直前のANN(テレビ朝日系)の世論調査では、結婚を「お祝いしたいと思う」が61%で、「思わない」の24%を大きく上回っている。
ネットのコメント欄だけを見ていると、国民のほとんどが2人の結婚に反対しているように思えてくるが、実際は祝福している人たちも結構いて、どんどん増えていることがわかる。
ネット住民たちが激しい言葉で誹謗中傷を繰り返すと、何も知らない人にはそれがあたかも世間一般の評価だと錯覚することがある。それと同じで、週刊誌の記事をエサにした小室家の「金銭トラブル」のことも、「みんながおかしいと叩いているから、自分も思わなければ」と思い込んだのかもしれない。小室家の「金銭トラブル」が毎週のように週刊誌に書かれていた頃、もしアンケートをとっていたら、ほぼ全員が結婚に反対しただろう。
しかし次第に、多くの人が、繰り返される小室家批判はおかしいと気づき始めたのかもしれない。
かつて上皇ご夫妻が結婚した時、皇太子だった上皇さまは「憲法に保障された両性の合意による結婚」と宣言したと報じられたが、当時は理解できない人も少なくなかった。日本国憲法第24条が、結婚は2人の同意のみで成り立つと定めたことを、皇太子もそれに従ったという意味だが、当時はまだ結婚は家と家の結びつきという意識が強かったからだ。
■守旧派やネトウヨに振り回された
いまでは私たちの常識になったが、まだ皇室だけは別という認識がどこかにあったのかもしれない。眞子内親王は「金銭トラブル」があるような家の男となぜ結婚するのか! というわけで、批判に同調したのだ。そのうち国民も冷静になり、皇族の結婚も私たちの結婚も同じだと気づき始め、書き込まれるコメントに違和感を覚え、素直に結婚を祝福する人たちが増えていったと考えられる。国民も眞子さんも、守旧派やネトウヨのような連中に振り回されてきたのだ。
2人の結婚は祝福すべきだが、会見を聞いていると悲しくなってくる。眞子さんは「圭さんの留学については、圭さんが将来計画していた留学を前倒しして、海外に拠点をつくって欲しいと私がお願いしました」と述べた。そう決めたのは、少なくとも小室さんが留学する2018年の夏以前だ。そんなに早い時点で、すでに眞子さんは日本を離れる決心をしていたのだ。というより、一人一人の生き方を大切にしないこの国は、眞子さんに捨てられたのだともいえる。この悲しい現実を、まともな国民は真剣に考える必要がある。 =つづく
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誹謗中傷しかできない低俗な人々が増加しているのでしょうか。