新型コロナウイルス対策として国が福祉施設や全世帯に配布した、通称「アベノマスク」を含む布マスクについて会計検査院が調査したところ、調達した全体の3割近い約8200万枚(約115億円相当)が、今年3月時点で配布されずに倉庫に保管されていたことが、関係者への取材で判明した。3月までの保管費用は約6億円に上るという。
政府は2020年春以降、介護施設や障害者施設、児童施設の職員や利用者、妊婦向けに、計約1億5000万枚のマスクを調達。4月から約2000万枚、6月から約4000万枚を配布した。約8000万枚も一斉配布する予定だったが、マスクの流通量が増えたことなどから7月、一律の配布から、希望する施設への配布に切り替え、備蓄に回した。これとは別に、全国の全世帯に「アベノマスク」約1億3000万枚を配布した。計約2億8000万枚の調達などにかかった費用は総額500億円を超える。
関係者によると、検査院がこれらの布マスクについて調査したところ、福祉施設用の約7800万枚とアベノマスク約400万枚の計約8200万枚が、今年3月末時点で倉庫に保管されたままだった。
検査院はこの結果を11月に公表する20年度決算の検査報告に盛り込む方針だが、保管されている布マスクは今後も需要が出てくる可能性があることから、調査状況を示すにとどめ、会計検査院法に基づく意見表示などは見送るとみられる。
磯崎仁彦官房副長官は27日の記者会見で「布マスクの配布は、マスクが入手困難な状況になっていたことから、需要の抑制の観点から有効と考え実施した。施設向けについては配布方法を見直したということなので、調達に問題があったとは考えていない」と述べた。在庫の利用は「必要に応じて検討したい」とした。
また、検査院は27日、新型コロナ感染者と濃厚接触した可能性を知らせるスマートフォン向けアプリ「COCOA(ココア)」で一部利用者に接触通知が届かなかった不具合について、バージョンアップごとに行うテストが適切に実施されていなかったことなどを原因として指摘し、厚生労働省に改善を求めた。開発と運用保守を委託したIT企業に支払う3億8088万円に、不具合の修理費が含まれていないことを明確に示す資料が残っていない点も指摘した。【山崎征克】
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税金の無駄遣いです。利用のメドないマスクを長期間保管しているとはあまりに愚かでしょう。
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