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自民党は12日、衆院選公約を発表した。 岸田文雄首相が党総裁選で掲げた「デジタル田園都市国家構想」などを盛り込む一方、抜け落ちた目玉政策も少なくなく、「岸田カラーが薄い」との声が漏れる。作成過程を通じて、政府と党の力関係が安倍・菅政権時代の「政高党低」から「党高政低」に変化しつつあることも浮き彫りとなった。 「公約はあくまでも党としての公約だ。抜けているものも多少あると思うが、内閣でしっかりと進めて(もらえばいい)」。自民党の高市早苗政調会長は12日、公約発表の記者会見で、首相の総裁選公約を完全には採り入れていないと認めた。 党公約は首相が訴える「新時代共創内閣」を反映し、「新しい時代を皆さんとともに」がキャッチフレーズだ。首相の総裁選公約に沿って「新しい資本主義で分厚い中間層を再構築する」と宣言。具体策として、賃上げに積極的な企業への税制支援や看護師や介護士らの所得向上を明記した。 しかし、首相自身が発言を後退させた「令和版所得倍増」や金融所得課税見直しだけではなく、分配政策の柱に据えた子育て世帯の住居費・教育費支援が脱落。健康危機管理庁創設や科学技術顧問設置も盛り込まれなかった。党内の根強い反発を受け、役員任期の3年制限を柱とする党改革も完全に抜け落ちた。 一方、公約では高市氏や安倍晋三元首相が主張する保守的な政策が目立った。高市氏の持論である「危機管理投資・成長投資」を冒頭に掲げ、核融合開発の推進を明記。敵基地攻撃能力の保有を含めた抑止力向上も記した。憲法改正に関しては「時代の要請に応えられる憲法を制定するために力を尽くす」とした。 党関係者によると、公約の作成過程では首相官邸と党の間で激しいせめぎ合いがあった。公約策定に当たった党政務調査会には、古屋圭司会長代行ら保守系議員が多い。首相に近い官邸幹部が素案に「赤ペン」を入れて党に戻すと、政調幹部が「出入り禁止だ」と激高する場面もあったという。 党高政低への変化をうかがわせるのは公約だけではない。副大臣・政務官人事には甘利明幹事長が大きな影響力を及ぼしたとされる。首相に近い閣僚経験者の一人は「甘利氏、高市氏、安倍氏が力を持ち、首相は単なるお飾りになりかねない」と懸念を漏らした。 高市氏は12日の記者会見で、衆院選公約にない政策は内閣として推進すればいいと指摘しつつ、首相にこうくぎを刺すのも忘れなかった。「内閣で進める前には、自民党でしっかりと徹底的に審査を行わせてもらう」。
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虎の威を借りる高市氏が鼻につく。口先だけの首相と変わらない自民党にうんざりです。
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