幹部ら5人が詐欺容疑で逮捕された「西山ファーム」(岡山県赤磐市、破産手続き中)は、ほとんど元手がなくても参加できる、クレジットカードを使った「副業ビジネス」を展開していた。愛知県警によると、手軽に投資できるため、被害者には40代以下の比較的若い世代が多かったという。カードの引き落とし日前に利益を上乗せした分を返金する、とうたっていたが、入金は途切れ、投資した人は多額の借金だけが残った。 8枚のカードを使って「副業」をした愛知県の会社員の男性(49)は、預けた保証金を含めた1600万円が未返金のままだ。 2017年8月、「香港に果物を売って、リターンを受ける」と知人から聞いたのが始まりだ。副業ビジネスを担っていた元副社長の男(40)が、岡山県知事らと香港を訪問した様子を伝える新聞記事も見せられた。 同月下旬、花本将光容疑者(32)と名古屋駅近くのホテルの喫茶店で会った。「受け答えはキビキビして、人の上に立って的確に物事を進められるような人だった」。日本産の果物は海外で高く売れると説明があり、「農家さんを助けられるし、それなりの利益が出るのでおいしい話だと思った」と振り返る。 同社のLINE上の問い合わせ窓口に登録し、カードの限度額や引き落とし日などを伝えた。2カ月後、指示に従って化粧品を100万円分購入。翌月、利益を上乗せした額が振り込まれた。次第にカードを増やし、計8枚に。月の決済額は多いときで計500万円にもなった。「保証金」を預けると高配当が得られると言われ、800万円を振り込んだ。 約1年後の18年夏ごろ、支払いが遅れるようになった。 男性は「あの時点でやめておけばよかった。自転車操業になっていたのではないか」と悔やむ。 だが西山側は同じ頃、リボ払いに切り替えた額を保証金として扱うとする「リボキャンペーン」を行っていた。男性もさらに200万円分を登録してしまった。 そして19年2月、支払いは途絶えた。
逮捕された5人について男性は「紹介者たちは『私は知りません』と謝りもしない。素直に認めて、謝ってほしい」と話す。
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儲かるおいしい話は、詐欺以外にあり得ない。
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