5年前、大学生ら15人が犠牲となった長野県軽井沢町のスキーバス事故。業務上過失致死傷の罪に問われているバス会社の社長らの初公判が長野地方裁判所で開かれ、被告は「事故を起こすような運転をするとは思わなかった」などと述べ、無罪を主張しました。一方、初公判を終え、遺族は「憤りを感じ、受け入れがたい。なぜ、組織として防ぐことができなかったのか、裁判の中で納得のできる説明をしてほしい」と述べました。
2016年1月、軽井沢町の国道でスキーツアーのバスが道路脇に転落し、大学生ら15人が死亡しました。この事故で東京のバス運行会社社長・高橋美作被告(60)と当時の運行管理者・荒井強被告(53)が業務上過失致死傷の罪に問われています。
運転手の男性も書類送検されましたが死亡したため、不起訴となりました。
バスは時速およそ95キロで下り坂のカーブを曲がり切れなかったと見られ、ギアやブレーキの操作ミスが原因とされました。
起訴状では被告の2人が「大型バスに慣れていない運転手が事故を起こす可能性を予見できたのに必要な訓練を怠った」などとしました。
初公判には次男の寛さんを亡くした遺族会代表の田原義則さんも参加しました。
初公判の冒頭、高橋被告は「遺族の方々に心からお詫びします」と謝罪。その上で高橋被告は、「会計以外は荒井被告に任していて運転手が不慣れだったなどの情報は聞かされていなかった」と述べました。
また、荒井被告は「免許も持っていたので事故を起こすとは思わなかった」と述べました。
2人は起訴内容を否認しました。
被告の弁護士は「運転操作を的確に行えないとは予見できなかった」と無罪を主張しました。
一方、検察側は冒頭陳述で「イーエスピーは2015年に運転手の健康管理不足などの法令違反で指導を受けたが点呼など毎日の安全指導を怠っていた。運行管理できていない荒井被告を高橋被告も容認したままにしていた」などと指摘しました。
初公判終了後、記者会見で遺族会代表の田原義則さんは、「遺族として憤りを感じ、受け入れがたい。子どもたちが亡くなった大きな事故が起き、知らなかったではすまされない。なぜ、組織として防ぐことができなかったのか、裁判の中で納得のできる説明をしてほしい」と述べました。
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事故を予見できたか、否か。少なくとも必要な訓練を受けていれば、事故は防げたと思います。
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