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沖縄県で5日、新型コロナウイルスの新規感染者が623人確認された。沖縄に緊急事態宣言が出ていた昨年8月下旬以来の水準。思いもよらない急拡大で全国に衝撃が広がった。米軍基地を中心に感染が広がっているとみられ、沖縄と往来がある市民や基地周辺の住民から怒りの声が上がった。他の県でも変異株「オミクロン株」への感染が確認され、忍び寄る「第6波」の影に自治体関係者は神経をとがらせる。 那覇空港との直行便がある福岡空港。那覇市の自宅から大分市の単身赴任先に向かう途中で空港を利用した男性会社員(54)は怒り心頭だった。「沖縄では基地外でもマスクを着けない米軍関係者が多いので、感染拡大は当たり前。国はしっかり対応してほしい。勤務先に迷惑をかけられないので、出社前にPCR検査を済ませたい」 米軍岩国基地(山口県岩国市)では5日、182人の新規感染者が確認された。同基地では過去最多。山口県では104人の感染が確認され、約4カ月半ぶりの水準に達した。市内でバーを営む男性(46)は、沖縄の米軍基地でクラスター(感染者集団)が発生したことなどから昨年12月以来、休業している。「沖縄の状況を見て、岩国でも感染拡大の可能性があると思った。基地の街で夜の商売をしている限り自分で自分を守るしかない」とため息を漏らす。 宮崎県は沖縄県を「感染拡大地域」に指定し、県民に往来自粛を求める。5日には県内で初めてオミクロン株感染の疑い事例が見つかり、記者会見した河野俊嗣知事は危機感をあらわにした。「沖縄が厳しい状況で、本県でもオミクロン株の疑いが出たということは黄色信号だ。第6波を招きかねない」。九州・山口では熊本、大分、鹿児島各県でもオミクロン株の感染や疑い事例が確認された。 一方、福岡県では新規感染者が3カ月ぶりに40人を超えて46人に上った。感染者は増加傾向で、県の担当者は「年末年始で人の流れが増えたことや(年始の休診明けで)受診者が多かった影響が考えられる」と話す。 オミクロン株流行の兆しが鮮明になる中、各地の自治体は3回目のワクチン接種を急ぐ。福岡市では5日、65歳以上の高齢者を対象に接種を開始。担当者は「第6波が迫っている。できるだけ接種完了を急ぎたい」と緊張感を漂わせた。 専門家は警鐘を鳴らす。長崎大の有吉紅也(こうや)教授(臨床疫学)は「オミクロン株はデルタ株に比べ別次元の感染力で、同じ対応であれば第5波の感染者数を上回るだろう。感染への警戒を再び高める時期に来ていると言える。一方で重症化率が低いのも事実で、社会としてどの程度まで感染拡大を許容するか見極める局面も出てくるかもしれない」と指摘する。【城島勇人、大山典男、杣谷健太、光田宗義】
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重症化しないから許容、経済優先ではなく、人命最優先の政策でしょう。
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