プロ野球とサッカーのJリーグによる「新型コロナウイルス対策連絡会議」が11日、オンラインで開かれ、プロ野球の斉藤惇コミッショナー(82)は沖縄、宮崎両県で2月1日から始まる春季キャンプについて、上限2万人の有観客での開催を明言した。昨春は国や県独自の緊急事態宣言中だったため、無観客で実施。9球団がキャンプを行う沖縄では新たな変異株「オミクロン株」による新型コロナウイルス感染者が急増する中、2年ぶりの有観客にかじを切る。
キャンプインまで3週間。斉藤コミッショナーは、不退転の決意を口にした。
「有観客でキャンプを開催するという位置付けにしている。大声を出さないという条件で(観客数は)2万人以下になる。よほどのことがない限り、その条件で進行する」
沖縄県は年が明けて、オミクロン株による新型コロナウイルスの感染が急拡大。11日も775人新規感染が確認され、県内の感染者は計5万8982人に上っている。このため、JリーグではC大阪、そして新たにこの日は神戸が沖縄キャンプの中止を決定。14、15日に県内で開催予定だったBリーグのオールスター戦も中止となっている。
その中、同コミッショナーは昨年末にキャンプ地の自治体と有観客開催で合意したことを明かし、その後も自治体側から無観客への変更などの要望は届いていないとした。政府が昨年11月に示した指針では、現在沖縄に適用されている「まん延防止等重点措置」の下でのイベントは、原則として2万人が上限となっている。
ただ、受け入れ側は経済効果の大きさを認めつつも、もろ手を挙げて、とはいかない。〝新庄フィーバー〟が予想される沖縄・名護キャンプ。球場施設、座席案内などのスタッフをボランティアで募集していることもあり、日本ハムファイターズ名護協力会では「そういう好意で来ていただいている方が感染でもしたら申し訳ないという複雑な心境。現在の感染者数を見ても、これがよほどのことでなければ、何が〝よほど〟のことなのかとも思う」と冷静な反応に終始した。
この日午後に行われた12球団代表者会議では、さらなる感染対策として選手、球団スタッフに実施するPCR検査の回数を週1度から2度に増やすことなども検討課題として挙がった。2年ぶりにファンとともに迎える球春も、厳戒態勢は維持される。(東山貴実)
◆有観客での春季キャンプ実施について巨人・原監督 「与えられた、あるいは決められた場所、ルール。そういうものに従ってやることが大事」
◆「新型コロナウイルス対策連絡会議」専門家チームの三鴨廣繁氏(愛知医科大教授) 「対策をすれば、感染はかなり抑制される。今の沖縄の状況であってもキャンプを中止するという選択肢はないし、無観客もあり得ない」
★「ワクチン接種+陰性証明」パッケージ見直しも 3月以降の試合開催についても、斉藤コミッショナーは「制限なしでお客さんを入れてやりたい」と従来通りの方針を示した。ただ、12球団代表者会議では今後の検討課題として、これまで「ワクチン接種もしくは検査陰性証明」としてきたワクチン・検査パッケージを「ワクチン接種かつ検査陰性証明」に見直す可能性が確認された。
★新規入国停止の継続で新外国人合流は難しく 政府が水際対策として外国人の新規入国停止を2月末まで維持する方針を打ち出したことで、新外国人選手のキャンプ合流は難しい状況。斉藤コミッショナーは「新規契約の選手、家族の入国については厳しい線だと思うが、今から(関係各所と)交渉していくことになると思う」と話した。
★2021年のプロ野球 1月7日に宮崎県が、同19日に沖縄県が独自の緊急事態宣言を発令し、両県からの要請によってキャンプは無観客で開催。2月中に沖縄県内で予定されていたオープン戦は、無観客での練習試合に変更された。
開幕後は、首都圏の1都3県が緊急事態宣言が出ている間は上限5000人、対象外の札幌ドームは上限2万人など地域によって上限が異なった。また、緊急事態宣言に伴い、セ、パ計42試合が無観客で開催された。
ワクチン接種が進んだシーズン終盤は7球団でワクチン・検査パッケージを活用した実証実験が行われ、日本シリーズを含む17試合で上限数に加えて13~5537人が同パッケージで観戦した。
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今が、よほどことでしょう。
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